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風呂敷で楽しむ和のくらし 第104話
源氏物語の頃の衣食住―5

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日本の衣食住 長月

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日本の衣食住
長月

夏の衣類の「夏じまい」

まだ暑い日も続き、本格的な衣替えはもう少し先ですが、流石に真夏に必要なものはそろそろ出番は終わりです。
和装の衣替えのしきたりでは、盛夏の7月8月に着ていた透け感のある薄物の着物や帯は、よく汗抜きや陰干しをし、しみや汚れがついたものはクリーニングや洗い張りに出して、9月からは単の着物に変えていきます。
洋装でも、夏に身に着けたものは、衣替えの前に改めてしっかり洗い直す「しまい洗い」がおすすめです。
衣類に黄ばみやシミ、皮脂汚れがある場合には、酸素系漂白剤を40~50℃のお湯に適量を溶かし、10~20分程つけおきします。
酸素系漂白剤のかわりにクレンジングオイルでも、同様のやり方で効果があります。
その後、通常通りに洗濯機を回しますが、普段すすぎ1回なら、「しまい洗い」の時には、すすぎ2回で洗うとよいでしょう。
洗濯後、衣類に水分が残っているとカビの原因になるので、晴れた日によく乾かすか乾燥機を使って、しっかり乾燥させてから収納しましょう。
アクセサリーやサングラスなど洗えないものは、それぞれの素材に合わせた汚れ落としや磨きをかけて、専用の収納袋に入れてしまいます。
サンダルなど夏の履物も、水洗いできるものは水で汚れを落とし、陰干しした後、よく乾燥させてからしまいます。
革製など水洗いできないものは、弱酸性洗剤をタオル等に含ませ、汚れを落とした後、風通しのよいところで乾燥させ、最後にクリームを塗ってから収納します。
夏の間の装いを彩ってくれた衣類の「夏じまい」、しっかりしておくと、来年の夏もすぐに役立ってくれますね。

重陽の節供の「菊酒」と食用菊

中国の陰陽思想では、奇数は「陽」の数字でおめでたいが、それが重なると邪気が生じると考えられ、それを祓うための行事が生まれました。
三月三日の雛祭り、五月五日の端午の節句なども陰陽思想から生まれたもので、この奇数の最大の九が重なる日が重陽で、9月9日は重陽の節供となりました。
この頃は、菊の花が盛りの頃なので、中国の宮中では菊の花の美しさを愛で、詩歌を詠み楽しむ「菊花の宴」が行われました。
美しいだけでなく、菊には筋肉の疲れや目の神経を和らげるビタミンB1、老化防止に役立つと言われるビタミンE、抗酸化作用のあるビタミンC、皮膚や粘膜の健康を保つビタミンB2など、ビタミン類が沢山含まれます。
中国では漢の時代より、菊は延命効果があり不老長寿のシンボルだと考えられ、日本には薬草として伝わりました。
菊は腰痛や胃腸の不調、体調を整える効能があるとされ、漢方では菊の蕾は咳止めや婦人病に対して用いられてきました。
重陽の節供には、菊の花を愛でるだけでなく、菊の花や花びらを浮かべたり浸したりした「菊酒」を飲み、長寿や健康を祈ったそうで、古の人々は菊の効用をよく知っていたということですね。
「菊酒」は日本酒に菊の花や花びらを浸して作ることが出来ます。
より本格的な菊酒を飲んでみたい場合は、日本酒やホワイトリカーに食用菊の花をまるごと入れ、一晩寝かせてから頂くとよいでしょう。
食用の菊としては、山形県や新潟県で生産される紫色の「延命楽」や、青森県八戸の黄色い「阿房宮」などが有名です。
長寿としての効能がありそうな「延命楽」は、山形県では「もってのほか」新潟県では垣根の側に植えられていたことから「かきのもと」という別名でも呼ばれます。
食用菊はこれからの季節が旬で、お浸しや和え物、酢の物、天ぷらなど、色々に活用できます。
栄養豊かで、彩りも鮮やかになる食用菊は、和風にも洋風にも使えますので、一度使ってみてはいかがでしょう。

防災の日と「方丈記」

日本は古来より地形や地質などから、地震、台風、津波、豪雨などの災害が発生しやすい国でした。
日本の防災について書かれた文学では、鴨長明の「方丈記」が初と言われます。
鴨長明は、人生のうちに大火災、竜巻、遷都、大飢饉、大地震、と想定外の災害や出来事に出会っています。
度重なる災害の体験から、多くの財産も、豪華な家も、運が悪ければ命でさえ、一瞬にして失うことを身を持って経験していました。
「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」
冒頭のこの一文で、彼はすべてのものは移ろい変わりゆくものだと述べています。
「恐れの中に恐るべかりけるは、地震なりけりとこそ覚え侍りしか」
そして、大きな災害の中でもとりわけ恐るべきものは、地震であったと言っています。
「すなはち人皆あぢきなきことを述べて、いささか心のにごりもうすらぐと見えしほどに、月日かさなり年越えしかば、後は言の葉にかけて、いひ出づる人だになし」
また大災害の直後は、皆が浮世の無意味さに気付き、心の濁りも薄らぐかと見えたけれども、年月を経るごとに、誰も言う人はいなくなるとも述べています。
日本人は、今まで何度も大きな災害にみまわれながらも、又そこから頑張り復興を遂げて来ました。
被災した不幸を少しでも早く忘れて、たくましく前を向くことは素晴らしい気質です。
ただ、災害を全て忘れるのでなく、過去の経験から学んだことを心に刻み、災害への備えをしておくことも教えてくれています。
時代が下って、1923年9月1日に起きた関東大震災を忘れず、災害に対する備えをしっかり行おうと1960年に制定されたのが、「防災の日」です。
その後、2011年には東日本大震災が起こり、改めて災害への備えを考える機会となりました。
古典の「方丈記」からも、現代の「防災の日」からも、災害への心構えと備えを教えてもらえます。

風呂敷で防災頭巾

風呂敷でタオルや冊子などを巻いて頭に被せ、両端を首の前で結ぶと、とっさの時の防災頭巾の代わりになります。  防災頭巾やヘルメットをいつも持ち歩くのは難しいですが、風呂敷ならば嵩張らず、小さく畳んでバッグに入れて持ち歩けます。


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つつみ純子
お茶の水女子大学卒/風呂敷文化研究家/和文化コンシェルジュ/エコ・クッキング・ナビゲーター/福祉住環境コーディネーター2級/NPO法人徳育と人間力育成研究所アドバイザー
「日本の伝統文化を身近に再発見する」をキーワードに、風呂敷を通して、日本人の知恵や文化をお伝えしています。
又、日本古来の「年中行事」や「四季のしつらい」、「伝統食育」など、日本の生活文化を伝える講演やワークショップも展開しております。
2011年には国際交流基金からポーランド・グルジア等に派遣され、文化交流事業の風呂敷講師として、大学・政府関係機関などで風呂敷講座を行いました。
国内のみならず海外の方々へも、風呂敷を通して日本文化と日本の心をお伝えして参りたいと思い、 オリジナル風呂敷「ふろしきぶる風呂敷」と「つつみフロシキブック」を製作しました。
2020年東京オリンピックでは「大江戸オリンピックは風呂敷でおもてなし」を提唱しています。
また研究し纏めてきた「ふろしき学」が、2015年より都立で単位認定のある授業に採用され、実施しております。
学校教育の中でも、ふろしき文化をこどもたちに伝えていきたいと思っています。
「ふろしきぶる風呂敷」を活用した風呂敷文化の普及及び販売が、東京都中小企業振興公社の支援を受けることになりました。


□URL http://www.furoshikible.com/
□blog http://ameblo.jp/11264ki/
□Facebook https://www.facebook.com/junko.tsutsumi.332


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