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9月 白露・秋分 白露(はくろ) 近年は9月に入っても暑い日がありますが、それでも朝夕には涼しさを感じるようになります。 この時期になると寒暖の差が大きくなり、昼間の湿った空気が夜になると冷やされます。 これ以上、水分が気体として留まることができない温度にまで下がった時、気体であった空気中の水分は、液体へと変わります。 この水分を露と言います。 夜に降りる夜露、朝に降りる朝露が、野の草に宿り、それが白く光って見えるこの頃を白露と呼びます。 ようやく暑い夏が終わり、秋が訪れてくる気配がしてきます。 新暦では、9月7日頃から9月21日頃までです。 白露の初候(新暦9月7日~11日頃) 「草露白し(くさのつゆしろし)」 昼間のまだ暖かい空気も夜間や朝方に冷やされて、草の葉の上に露として宿ります。 その透明な露に朝の光が差すと、キラキラと白く輝き、涼しさを感じさせてくれるようになります。 ところで、中国の陰陽五行説では、白は秋の色。 北原白秋の名前の由来は、この説の「白秋」に由来していると言われています。 草に降りる露の白は、白い米の収穫をはじめ、秋の訪れの象徴でもあります。 中国の五行説の秋を白と呼ぶことは、日本でも自然に取り入れられたのでしょう。 白露の次候(新暦9月12日~16日頃) 「鶺鴒鳴く(せきれいなく)」 チチィ、チチィ、と鶺鴒が鳴く頃です、 鶺鴒は小さな鳥なのに、すらりと長い尾を持ち、この尾で地面を叩くような仕草をします。 これを「石叩き」とか「庭叩き」と呼びます。 日本書紀に初めて、イザナギとイザナミは、鶺鴒のこの「石叩き」の動作を見て、契りの交わし方を知ったと記されています。 それで、鶺鴒は「コイオシエドリ」とか、「トツギオシエドリ」等と呼ばれています。 セキレイ 白露の末候(新暦9月17日~22日頃) 「玄鳥去る(つばめさる)」 渡り鳥の燕は、春先に訪れ、夏の間、家の軒先に巣を作り、雛を育てます。 雛を育てるために、幾度なく餌を運び、来ては飛び、を繰り返します。 そして雛がしっかり育ったこの時期になると、南に帰って行きます。 最近では燕が巣をかけられるような軒下もどんどん少なくなっています。 来春、燕が戻って来た時も巣作りが出来る軒下がありますように、と願っています。 秋分(しゅうぶん) 秋分は春分と同様、昼と夜の長さが同じになる日のことです。 春の春分からは日が長くなり、暑くなる時期ですが、秋の秋分は、次第に日が短くなり、暮れるのも早くなります。 新暦では、9月22日頃から、10月7日頃までです。 秋分の初候(新暦9月22日~27日) 「雷乃声を収む(かみなりこえをおさむ)」 青い空に入道雲がもくもくと天高く湧き上がる様子は、まさに夏の風物詩の一つです。 ただし、入道雲が湧いて来たらご用心。 入道雲は雨や雷を呼ぶ雲でもあるのです。 この時期になると、その雷も収まり、空の雲は入道雲から鰯雲になっていきます。 空気もだんだん冴え冴えと澄んでいく頃です。 秋分の次項(新暦9月28日~10月2日頃) 「蟄虫戸を坏す(すごもりのむしとをとざす)」 暖かい間、外で活動していた生き物たちが、土の中へ隠れる支度を始める頃です。 ここで書かれる虫は、昆虫だけでなく、蛙や蜥蜴などの小動物も含みます。 啓蟄の頃、土から出て暖かい間は活動し、寒くなったら動くのを止めるという生き方。 これら巣ごもりをする小さな生き物の、実にエネルギー効率がよい生態には、大いに学ぶところがあるように思います。 秋分の末候(10月3日~7日頃) 「水始めて涸る(みずはじめてかれる)」 この「水が涸れる」、というのは、川の水が涸れて水不足というのではありません。 稲刈りのために、田んぼの水を抜く時期を表しています。 田植えから始まり、夏に花を咲かせたのちに、実った穂が重くたわわに垂れ下がる。 苦労して育てた稲も、いよいよ収穫の時期がやってきました。 日本の年中行事 日本人と「お月見」 毎年、12ないしは13回、満月の日があるのに、なぜこの時期の月を「中秋の名月」や「十五夜」と名付けて、「お月見」をするのでしょう? その昔、中国に月見の日に里芋の収穫を祝い、里芋を食べる風習がありました。 それが奈良・平安時代に日本に伝来し、貴族たちが観月の宴を催したのが、「お月見」の始まりと言われています。 旧暦の8月は一年の中で一番空が澄み、月が美しく見える頃なので、人々は星と共に、一段と光り輝く月を仰ぎみて楽しんだことと思います。 旧暦8月のちょうど真ん中の日を中秋と呼び、それが15日に当たることから、旧暦8月15日が中秋となります。 ここから、旧暦8月15日の月は「十五夜」の月とか「中秋の名月」と名付けられました。 因みに「中秋」と同じ発音で、「仲秋」という言葉もあります。 旧暦では春は1月から3月、夏は4月から6月、秋は7月から9月、冬は10月から12月で、季節の真ん中に「仲」をつけて呼びました。 ですので、「仲秋の名月」といえば、旧暦8月の月ということになります。 「十五夜に、庶民もお供え物をして「お月見」を楽しむようになったのは、江戸時代頃からと言われています。 その年の収穫を祝い、翌年の豊作を願い、丸いお団子やススキなどを飾りました。 お団子が丸いのは、欠けても満る月に、不老不死や豊作の祈りを込めたからとも、中国の月餅に似せたからとも。 前述のように、この頃は里芋の収穫時期でもあり、里芋もお供えしました。 その名残なのか、関西のお月見団子は紡錘形で漉し餡をのせた、里芋を模したような形状です。 お団子と共にお供えするものは、本来は収穫を感謝し、稲穂を飾りたいところですが、この時期、稲穂は収穫してなくなっています。 そのため、稲穂が実った形とよく似たススキを代りにお供えするようになったようです。 元々、ススキは茎の中が中空で、紙の宿り場と考えられていて、月の神様をお招きする依り代(よりしろ)でもありました。 又、ススキの切り口は鋭いため、厄災や悪霊から収穫物を守ってくれる魔除け厄除けとも考えられていました。 日本の年中行事の一つ、「お月見」の行事にも、稲作が深く結びついていることが分かります。 旧暦8月15日は新暦では9月半ばから10月はじめで、必ずしも満月とは限りませんが、空が澄んだ秋は一年の内で一番月が美しい時期。 満月でなくても、お団子やススキを供え、「お月見」を楽しみたいですね。 九月のしつらい 今年の「十五夜」には、お月見団子を作り、ススキや稲穂をお供えしてみませんか? 美しい月を鑑賞したあとはお団子と熱い日本茶で秋の夜長を楽しみましょう。 九月の風呂敷 「十五夜」は、月でお餅つきをしているはずのうさぎも、地上におりてきます。 一年で一番美しく輝く月を、うさぎと一緒にお団子食べながら、愛でましょうか。 <<次回のはなし 前回のはなし>>
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