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12月 大雪・冬至 大雪(たいせつ) 本格的に冬となってきて、雪が降りだす季節です。 雪国では、家や窓の雪囲いや植木の雪吊りの対策をします。新暦では12月7日頃から20日頃です。 大雪の初候(新暦12月7日~11日頃) 「閉塞く冬となる(そらさむくふゆとなる)」 天地の気が塞がり、冬となるという意味です。 空は雲が重く垂れ込み、灰色に沈み、真冬が訪れます。 寒さは厳しくなりますが、寒ぶりや大根など、寒くなればなるほど美味しくなるものも出てきます。 大雪の次候(新暦12月12日~15日頃) 「熊穴に蟄る(くまあなにこもる)」 熊も穴に入り、冬眠をする頃です。 この冬篭りの間に、子熊を生み育てる雌熊もいます。 そろそろ一年の汚れを落し、すす払いをする時期でもあります。 大雪の末候(新暦12月16日~20日頃) 「さけ(魚へんに厥[魚厥])魚群がる(さけのうおむらがる)」 「さけ(魚へんに厥[魚厥])魚群」とは、鮭が産卵のため群れをなして川を遡上する様子のことです。 この頃の鮭は秋味とも呼ばれ、冬を越す為の貴重な食料でもありました。 冬至(とうじ) 一年の中で太陽が最も南に寄るため、北半球では最も昼が短く、夜が長い日。 新暦では大体12月22日頃です。 長く暗い日ではありますが、この日を境に日が伸びていくため、古くは冬至が一年のはじまりの日でした。 冬至の初候(新暦12月22日~25日頃) 「乃東生ず(なつかれくさしょうず)」 乃東とは、漢方薬に使われる靫草(うつぼくさ)」の漢名である夏枯草(かこそう)のことです。 冬至の頃に芽を出し、夏至の頃に枯れることからこの名が付けられました。 冬至の次候(新暦12月26日~30日頃) 「麋角解(しかのつのおつる)」 「麋」とはヘラジカのような大きな雄の鹿のことです。 この大鹿は、春に角が生え変わるニホンジカではなく、七十二侯が生まれた中国大陸にいた麋鹿(ミールー)だろうということです。 冬至の末候(12月31日~1月4日頃) 「雪下麦を出だす(せつかむぎをいだす)」 まだまだ雪は降り続き積ってはいるが、その下で蒔いた麦の芽は、生え始めています。 目には見えねども、生き物の息吹は着々と命を育んでいます。 日本の年中行事 正月事始 事始(ことはじめ)というのは、ものごとの始まり、新しい仕事を始めること。 正月事始(しょうがつことはじめ)というのは、お正月を迎える準備を始めることです。 江戸時代になって、12月13日が鬼宿日で大吉日であることから、正月事始の日になりました。 この日から、お正月の年神様をお迎えする準備をはじめます。 まずは煤払い、それから門松や注連縄を用意し、そして餅つきをして鏡餅をお供えするなど始めていきます。 煤払い(すすはらい)は、単なる大掃除ではなく、年神様を迎えるための神聖な行事として行います。 煤払いで家を清らにしたあとは、門松用の松やおせちなどの煮焚き用の薪を恵方の山に取りに行きました。 これを「松迎え」といいます。門松は歳神様のよりしろと考えられ、門松をたてることは欠かせないことでした。 家の前に門松を立てたあとは、家の中にも歳神様のお過ごしになる場所が必要で、それが鏡餅です。 古くから餅は稲の実りの象徴であり、稲と神の霊力が宿ったものでした。 この餅を作るために「餅つき」をして、歳神様の居場所を作り、お供えにもしました。 煤払い、門松、注連縄、餅つき。 今は12月13日に始める必要はありませんが、年末ギリギリでなく、余裕をもって新年を迎える準備、ひとつでもしたいですね。 師走のしつらい 漆器作家、藤沢秀行さんの茶箱を包む風呂敷をコーディネートさせていただきました。 穏やかな茶渋色の正倉院柄の風呂敷は、漆器の茶箱によく似合います。 師走のふろしき 正月を迎える為の門松を準備する「松迎え」に因み、松文様の風呂敷。 お正月をはじめ、寿ぎや喜びを表すには、植物では最上級の格を持つのが松です。 <<次回のはなし 前回のはなし>>
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