日本の窓を考える　　日本のサッシを木製に！サッシ後進国・日本を変える

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ものづくり先進国といわれる日本。
四季を愛で、家の日当たりや窓の方角へのこだわりが強いと思われる日本ですが、 なんと窓の断熱性能の最低基準が定められていません。
ヨーロッパのみならず、お隣の韓国や中国でも最低基準が定められています。



経済産業省が定めた窓の性能等級の数値と比較してみても、 日本の窓の断熱性能に対する意識の低さには驚きすら覚えます。




窓の断熱性能を比較する指標「Uw値」とは、1時間・1m²当たりに窓が通す熱量で、 小さいほど熱が伝わりにくく、断熱性に優れた窓といえます。
住宅における熱の流出入は窓（開口部）からが大きく、夏、冷房中に流入する熱の約70%、 冬、暖房の熱が流出する約60%が窓からといわれています。
日本ではまだあまり知られていませんが、省エネ問題にも大きく関わる世界的に認知されている数値なのです。
Uw値は窓を構成する各部材の熱貫流率とその面積から算出されるので、窓枠の素材やガラスの面積、 ガラス層の数やその厚さなど複数の要素で異なってきます。
窓の大部分を占めるガラス面については、ペア（二重）ガラスやLow-E（低放射）ガラス仕様、 ガラス層に空気より熱伝導率の低いアルゴンガラスを注入するなど、 断熱性の向上のための工夫が当たり前となっています。
では、ガラス以外で窓を構成する部材、




熱伝導率とは1時間・1m2当たりに素材が通す熱量です。
熱貫流率が仕様の断熱性能を評価した数値であるに対し、熱伝導率は単純に材料そのものの断熱性能を評価した数値といえます。



窓を構成する各部材の熱伝導率を見ると、木の方がアルミニウムより約1200倍も熱を通しにくいことがわかります。
ところが日本では、サッシの大部分はアルミサッシです。




ちなみにエネルギー問題の観点から、アメリカでは50州のうち24州でアルミサッシが禁止されています。



木は内部が中空で、大量の空気を含みます。
それで熱を遮断するのです。
この中空構造により、木は呼吸しているのです。
だから結露が起きにくく、メンテナンスをすれば長期使用に耐えるのは法隆寺を見ても明らかでしょう。
家づくりに木を使えば、家は長生き。
そんな家に住む人も長生き!?



木は燃えると表面が炭化します。
炭素は熱を伝えにくく、酸素を通しにくいので、表面の炭化層が内部への火の進行を抑えます。
意外に思われるかもしれませんが、木は耐火性に優れているのです。
鉄やアルミニウムは熱を伝えやすいので燃えませんが、溶けてしまいます。



窓の断熱性能が高ければ、冷暖房エネルギーを抑えることができます。
また、木製サッシは製造過程で発生するCO2量が少なく、再生も可能。
サステイナブルなサッシなのです。



日本には森が多く、古くから木を家づくりに使ってきました。
日本の資源を利用し生産ラインを整えれば、コストダウンは実現できます。
木を植え、育て、使う。日本の森を正しく利用することは自然環境、つまりすべてのいのちを守ることにつながるのです。