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源氏物語の頃の衣食住―12

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バックナンバー

 

神無月の和の住まい
日本人のすまい方の歴史

先月の「長月の和の住まい」では、「日本の住宅の歴史」について書きました。
住まいの歴史は、そこに住む人々の歴史でもあります。
住まいとともに移り変わる人々の住まい方を見てみたいと思います。

竪穴式住居のくらし

竪穴式の「竪穴」は地面に縦に穴を掘っていることから名付けられたそうです。
半地下ですが、竪穴式住居の屋根は広く、竪穴の廻りには盛り土がしてあり、雨が溜まる心配はなかったようです。
屋内で火を焚きましたが、上部には換気口があり煙が出せました。
又その煙で屋根や室内は燻され、防虫防腐効果になりました。
火を焚くことは、炊事だけでなく、明かりや暖を与えてくれました。
発掘調査によると、竪穴式住居は同時期には「女性と子供の家」「男性の家」「若者の家」などが立っていたようです。
古代は女性の元に通う通い婚で、子どもは女たちが育てました。
その中で男の子は成長すると、男性の家に出入りして狩猟を覚えたりしながら、「若者の家」で大人になっていったと思われます。
男の子が成長する途中にこのような住まい方をするのは、世界の民俗学研究で見られます。

寝殿造りのくらし

平安時代から中世にかけて上層の人々が暮らしたのが寝殿作りです。
母屋と庇に板の床を張り、ぐるりと濡れ縁を巡らせて、内部は柱だけで壁や間仕切りが殆どない開放的な住まいで、屏風や几帳を置いて間仕切りをしました。
中央にある寝殿には主が住み、北の対の屋には正妻が住んだと言われています。
屋敷の前には大きな庭園を設け、御簾を上げると前面に四季の美しい移り変わりを眺めることが出来ました。
開放的な寝殿造りでは、主が目下の者と面会する場合は、目下の者は庭で挨拶をするというように、建物だけでなく庭も一体とした考えのもと作られたものでした。
冬は大層寒かったと思われますが、当時の人々は冬は寒いものと割り切り、火鉢などを近くに置くことで、直接からだを温めたようです。
床は板敷きでしたが、座具や寝具として畳が使われるようになりました。

書院造りのくらし

和室の原型は書院造りで、それまでの寝殿造りとは色々な点が変わりました。
柱以外はなかった内部に間仕切りの壁や戸を付けるようになり、一つの大きな空間は、いくつかの部屋になりました。
板敷きだった床は、畳を敷き詰めるようになり、床の間が設けられるようになります。
畳が敷き詰めたことで座り方も変わり、寝殿造りでは胡坐か立ち膝でしたが、女性は正座(男性も正式な場では正座)をするようになります。
この書院造りの基本は、今の和室に脈々と引き継がれています。

和洋折衷のくらし

明治時代の中頃から、住宅の洋風化が始まり、全ての部屋が和室だった日本の住まいに洋室が作られるようになります。
住まいの中で洋室が増えていくと、日本人のほぼ全てが畳の部屋で起居していた「床座」という生活スタイルから、次第に椅子に座る「椅子座」形態に変化して行きました。
現在では新築マンションに和室は殆ど作られなくなっていて、畳に座ったことのないこどもたちも増えています。
時代の変遷とともに、日本人の生活スタイルが変わり、住まいの形も用途も変わってきました。
コロナの影響でステイホームが続き、テレワークが増えた今年は、住まいの考え方も大きく変わった人が出てきました。
地方に移住する人、リフォームする人、断捨離する人、趣味の部屋を作り人、住まい方は生き方の反映でもあります。
今、昔と同じような素材や建て方で家を作ることは出来ないでしょうが、、和室のくらしの良さも伝えていきたいものです。

神無月のまちかどふろしき 「旅にふろしき」イラスト

行楽の秋が本格的に始まります。
旅行には風呂敷がとっても役に立ちます。
スーツケースや旅行鞄の中身の整理に、エコバッグに、ウエストポーチや帽子、ペットボトルカバーにも♪ L(90~100cm)、M(70cm)、小風呂敷(50cm、三サイズを持っていかれると、お役に立って便利です。

神無月のふろしきYoutube

「風呂敷はふろしきぶる”テクノバージョン♪ I am Tsutsumi Let's Furoshiki」”A Techno Version of a Japanese Furoshiki Song

テクノバージョンのふろしきのうた。くせになりそうないい曲です。是非ご視聴ください。


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つつみ純子
お茶の水女子大学卒/風呂敷文化研究家/和文化コンシェルジュ/エコ・クッキング・ナビゲーター/福祉住環境コーディネーター2級/NPO法人徳育と人間力育成研究所アドバイザー
「日本の伝統文化を身近に再発見する」をキーワードに、風呂敷を通して、日本人の知恵や文化をお伝えしています。
又、日本古来の「年中行事」や「四季のしつらい」、「伝統食育」など、日本の生活文化を伝える講演やワークショップも展開しております。
2011年には国際交流基金からポーランド・グルジア等に派遣され、文化交流事業の風呂敷講師として、大学・政府関係機関などで風呂敷講座を行いました。
国内のみならず海外の方々へも、風呂敷を通して日本文化と日本の心をお伝えして参りたいと思い、 オリジナル風呂敷「ふろしきぶる風呂敷」と「つつみフロシキブック」を製作しました。
2020年東京オリンピックでは「大江戸オリンピックは風呂敷でおもてなし」を提唱しています。
また研究し纏めてきた「ふろしき学」が、2015年より都立で単位認定のある授業に採用され、実施しております。
学校教育の中でも、ふろしき文化をこどもたちに伝えていきたいと思っています。
「ふろしきぶる風呂敷」を活用した風呂敷文化の普及及び販売が、東京都中小企業振興公社の支援を受けることになりました。


□URL http://www.furoshikible.com/
□blog http://ameblo.jp/11264ki/
□Facebook https://www.facebook.com/junko.tsutsumi.332


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