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10月 寒露・霜降 寒露(かんろ) 秋の夕暮れは、よく釣瓶落としと言われます。 釣瓶(つるべ)とは、井戸から滑車で水を汲み上げる桶のことです。 釣瓶がスルスルと井戸の中へ落ちていく様が、日が傾いたと思ったら、 あっという間に暮れる秋の日の沈む早さと似ていることから、そう呼ばれるようになったようです。 先月9月前半は、露が降り白く光ることから「白露」と呼ばれましたが、10月になると、降りた露は冷たい空気で冷やされ、冷たい露となります。 その冷たく感じられる露から、この時期は「寒露」と呼ばれます。 新暦では、10月8日頃から10月22日頃までです。 寒露の初候(新暦10月8日~12日頃) 「鴻雁来る(こうがんきたる)」 北から帰行していた雁が、冬越しのために戻ってくる頃です。 雁は、鴨目鴨科の水鳥の総称で、繁殖地であるロシアから遥々4000キロを渡って、日本に飛んできます。 そして、日本に渡ってくる雁の約8割近くが、日本で越冬します。 その年初めて訪れる雁のことは、初雁(はつかり・はつかりがね)といい、秋の季語となっています。 寒露の次候(新暦10月13日~17日頃) 「菊花開く(きっかひらく)」 菊の花が咲き始める頃です。 五節句の一つ、重陽の節句は旧暦の9月9日で、新暦では10月半ばのこの時期です。 この節句の主役は菊で、菊の花を生けたり、菊の香りを移した菊酒を飲んだりして、不老長寿を願います。 菊の花が盛りになるこの頃は、目でも下でも菊を楽しんだらよいですね。 寒露の末候(新暦10月18日~22日頃) 「蟋蟀戸にあり(きりぎりすとにあり)」 秋が深まると、野にいた虫も人家に近づき、軒下で鳴くようになります。 初秋の頃には華やかだった虫の音も、次第に静かにゆっくり途絶えていきます。 日本人は虫の音にも季節や情感を感じ、歌にも詠んできました。 古今集の和歌にも「きりぎりす 鳴くや霜夜のさむしろに 衣肩しきひとりかも寝む」と読まれています。 霜降(そうこう) 霜降は、まさに字の如く「霜が降りる」ということです。 秋が深まると、朝晩ぐっと冷え込んで来て、露が冷気によって霜になって降りてきます。 霜は空気中の水蒸気が水になることなく、氷の結晶になることで生まれます。 空の上で出来た結晶が雪であり、地上で出来た結晶が霜となります。 夜晴れていると、放射冷却により地面が冷やされ、氷点下になると、空気中の水蒸気が凍結します。 この結晶がゆっくりと地面や草の葉に降りて来たものが、霜となります。 新暦では10月23日から11月6日頃までです。 霜降の初候(新暦10月23日~10月27日) 「霜始めて降る(しもはじめてふる)」 霜が初めて降りる頃です。 北から初霜の便りが届き始め、朝晩はぐっと冷え込んできます。 霜が草に降りて白く光る様は美しいものですが、農作物には大敵です。 この時期になると農家は作物に藁やビニールをかけて、霜害を防ぎます。 霜降の次項(新暦10月28日~11月1日頃) 「霎時施す(しぐれときどきほどこす)」 時雨は、秋から冬にかけ、降ったり止んだりする雨のこと。 四季の移り変わりがある日本には、季節や気候を表す言葉が豊かです。 雨に関する名称も、昔から沢山あり、時雨にも降り方や降る時間により、沢山の名前がつけられています。 その秋はじめて降るのは初時雨。ひとところに降るのを片時雨。横なぐりに降るのを横時雨。朝に降る朝時雨。夕方に振る夕時雨。夜に振る小夜時雨。 秋から冬への雨をも愛でて生きた日本人の思いが、時雨の名前からも感じられます。 霜降の末候(11月2日~6日頃) 「楓蔦黄なり(もみじつたきなり)」 楓や蔦などが紅葉して、秋の山が彩られる頃です。 楓(カエデ)はムクロジ科カエデ属の木の総称で、紅葉する葉の代表格です。 赤く色づいた蔦も美しいものですが、ウコギ科の冬蔦は緑のままで、紅葉するのはブドウ科の夏蔦です。 楓や蔦をはじめ、様々な樹木が紅葉して、山が華やかに着飾るように見えることから、紅葉した山を「山装う」と言います。 日本の年中行事 紅葉と紅葉狩り 草木が赤や黄色に染まることを紅葉といい、その際には「こうよう」と読みますが、もう一つの読み方は「もみじ」です。 「もみじ」という言葉は、木の葉が赤や黄色くなる」という意味の動詞の「紅葉つ(もみつ)」や「黄葉つ」に由来するそうです。 この「もみつ」が次第に「もみづ」に変化し、その葉を「もみち」「もみぢ」と呼ぶようになり、紅葉を「もみじ」と呼ぶことが定着しました。 日本にはイロハモミジやヤマモミジなど、名前に「もみじ」が付くものもありますが、植物の分類学上は、カエデもモミジも同じカエデ科カエデ属の植物です。 赤や黄色に変わる草木は皆モミジであり、カエデは代表的なモミジの植物ということになります。 山野を錦に彩る紅葉を楽しむ風習は、奈良時代から始まったといわれ、紅葉を詠んだ歌は「万葉集」にも登場します。 平安時代には、紅葉を見に出かけたり、紅葉を愛でる宴も開かれるようになります。 江戸時代になると、庶民も紅葉を見て楽しむようになり、季節の行事として、根付いていきました。 ところで、桜を見るのは「花見」というのに、なぜ紅葉を見るのは「紅葉狩り」というのでしょうか? 元来「狩り」は、獣を捕まえる意味で使われていましたが、野鳥や小動物を捕まえる意味にも広がります。 更に果実を採取する意味にも使われるようになり、薬草を求める「薬狩り」や「きのこ狩り」なども盛んに行われたようです。 「狩り」をしなくなった平安時代の貴族たちが、紅葉を愛でる際、木の枝を手折ったり、葉を集めることを、「狩り」と呼んだからともいわれています。 「紅葉狩り」は、能や歌舞伎の演目にもあり、和歌や俳句にも詠われています。 深まる秋の「紅葉」を愛でる「紅葉狩り」、色々に楽しみたいですね。 十月のしつらい 十三夜も十五夜に負けず劣らず、美しい月が見られます。 旧暦の九月十三日は新暦の十月の中旬あたり。 十三夜の月を空でも風呂敷でも眺めながら、葡萄の実りをワインと一緒に楽しむのも又一興。 十月の風呂敷 北から紅葉がはじまり、錦秋という言葉がふさわしい頃、美しい紅葉をお手元にも。 <<次回のはなし 前回のはなし>>
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