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6月 芒種・夏至 芒種(ぼうしゅ) 稲の穂先の針のような突起を禾(のぎ)と言います。 芒種とは、稲や麦など、この禾があり、その穂が出る植物の種を蒔く時期のことです。 この「芒種」の頃は、田植えの時期でもあり、田植え祭りも盛んに行われてきました。 みずほの国、日本ならではの節気です。 新暦では、6月5日頃から6月20日までです。 芒種の初候(新暦6月5日~9日頃) 「蟷螂生ず(かまきりしょうず)」 カマキリが生まれ出る時期です。 カマキリのメスは、秋に葉や枝の裏に卵を産み付けます。 数百もの卵が一塊の泡状の卵鞘(らんしょう)に入って越冬し、この時期、一斉に孵化します。 自分より大きな相手でも威嚇するカマキリですが、実は田畑の害虫を食べてくれる益虫なのです。 芒種の次候(6月10日~15日頃) 「腐草蛍となる(ふそうほたるとなる)」 蛍が幻想的な明かりをともし、飛び交う頃です。 蛍は別名を「朽草」とも言われます。 土の中で蛹だった蛍が、羽化して地上に現れる様子を見て、昔の人は朽ちた草が蛍に生まれ変わったと考えました。 「ほー、ほー、ほたる来い。こっちの水は甘いぞ。あっちの水は苦いぞ。」 子供の頃、こんな唱歌を歌いながら、蛍狩りをしたものですが、最近は、蛍が見られる清流も少なくなりました。 神秘的な蛍の光の情景がいつまでも見られるように、環境を守っていきたいですね。 芒種の末候(新暦6月16日~20日頃) 「梅子黄なり(うめのみきなり)」 梅の実が熟して、黄色く色づく頃です。 梅酒用には熟す前の青い梅がよいですが、梅干しや梅酢用には、熟した梅が向いています。 梅は生では食べない方がよいですが、木から落ちるほどに完熟した梅は桃やすもものようで、砂糖と煮ると、美味しい梅ジャムになります。 梅雨の合間に、梅を使った梅仕事、いかがでしょう。 夏至(げし) 一年で一番日が長く、夜が短い頃です。 夏の真っ最中の気がしますが、日本では梅雨の時期と重なるので、暑さのピークはもう少し先です。 冬至にかぼちゃを食べるように、夏至にも食べ物の風習があります。 ただし、関西では蛸、京都では水無月という和菓子、福井では焼きサバ、関東では焼き餅というように、地方によってさまざまです。 新暦では6月21日頃から7月4日頃です。 夏至の初候(新暦6月21日~25日頃) 「乃東枯る(なつかれくさかれる)」 「乃東」とはうつぼぐさの古名です。 うつぼぐさは夏枯草ともよばれ、古来より生薬として、洋の東西を問わず、役立ってきました。 花はきれいな紫色ですが、夏至の頃には花穂が黒ずんできて、枯れたように見えます。 それでこの時期を「乃東枯」と呼ぶようになりました。 夏至の次候(新暦6月26日~6月30日) 「菖蒲華さく(あやめはなさく)」 菖蒲と書いて、あやめと読みます。 「いずれあやめかかきつばた」と言われるように、あやめもしょうぶもかきつばたもよく似ていますが、咲く時期や見た目である程度、見分けられます。 五月上旬から中旬に咲きはじめ、花弁の元のところに網目状の模様があるのが、あやめです。 梅雨到来を告げる目安の花でした。 夏至の末候(7月1日~4日頃) 「半夏生ず(はんげしょうず)」 「半夏」とは、「烏柄杓」(からすびしゃく)の別名で、この植物が生える頃です。 農事には「半夏半作(はんげはんさく)」という言葉があり、夏至から半夏生の間に田植を終わらせることが大切とされてきました。 春から田植えまで働きづめだった体を労わる、農民の知恵なのかもしれません。 日本の年中行事 夏越の祓(なごしのはらえ) 六月の晦日日には、全国の神社で、夏越の祓(なごしのはらえ)という穢れを祓う行事が行われます。 今も昔も、人は日々の暮らしの中で、様々な間違いや過ちを犯すものです。 昔の人は、それらがだんだん穢れとなり身にまとわり重なり合って、病や災いをもたらすのを恐れました。 古くは一年を二つの時期に分けて考えていたので、半年毎の六月の晦日と十二月の晦日に、溜まった穢れを祓う大祓を行いました。 十二月の大晦日は年越しの時なので「年越の祓」と名付けられ、六月の晦日に行われるものは、「夏越の祓」と呼ばれました。 新暦の六月はまだ夏の初めですが、旧暦六月は、既に夏の夏の終わりの月でした。 六月晦日に行われる大祓えは、夏を過ぎ越える日の大祓えという意味で「夏越の祓」と呼ばれたのです。 又、夏越の祓は、六月水無月に行われるため、別名「水無月(みなづき)の祓」とも呼ばれました。 夏越の祓では、茅の輪(ちのわ)くぐりという行事をします。 茅の輪は、イネ科の多年生植物である茅(ちがや)で作った大きな輪です。 この茅の輪をくぐることで、病や禍を逃れることが出来ると考えました。 この行事は、「備後国風土記」の素戔嗚尊(すさのおのみこと)と蘇民将来(そみんしょうらい)の故事から生まれたものと言われています。 その昔、度をしていた武塔(むとう)の神は、ある村で一夜の宿を求めました。 その村に、蘇民将来(そみんしょうらい)と巨旦将来(こたんしょうらい)という兄弟がいました。 巨旦将来は裕福であったにも関わらず、その依頼を断りましたが、蘇民将来は武塔の神を喜んで迎え入れ、もてなしました。 実はこの武塔は素戔嗚尊(スサノオノミコト)で、歓待してくれた蘇民将来へのお礼として、災厄を祓う茅の輪を授けました。 その茅の輪のおかげで、その後、村を襲った恐ろしい疫病から、蘇民将来とその家族だけは逃れることが出来たということです。 夏越の祓の茅の輪は、厄災や疫病を避けたいと願った人々の思いが込められた、疫病よけの霊力の象徴なのです。 茅の輪くぐりには、神社により多少違いますが、作法があります。 「千歳の命延ぶというなり(ちとせのいのちのぶというなり)」と古歌を唱えながら、最初は左からまわり、次は右へまわり、と、八の字を描くように、茅の輪を三度くぐります。 この、歩いて描く「八」の字、西洋では数学の∞(無限大)と同じ形です。 日本では古くから「八」が多く使われ、「古事記」や「日本書紀」にも「八」が沢山見られます。 三種の神器は、八咫鏡・八十握剣、八坂瓊勾玉と、全てに「八」という字がついています。 他にも、八咫烏、八十建,八衢、八重雲、と「八」はたくさんある、という意味の日本の大切な数といえます。 方位により悪事災難を取除く祈願は八方除けといいます。 夏越の祓で行う、茅の輪くぐりが「八」の字を描くのも、八方除けの祈りが込められているのかもしれません。 六月のしつらい 六月は梅雨の時期ですが、なぜか水無月と書きます。 水無月の「無」は「の」という意味の連体助詞「な」で、実は水無月は、「水の月」ということです。 梅雨の雨に大喜びのカエルやカタツムリをおうちでも愛でましょう♪ 六月の風呂敷 手ぬぐいの「かまわぬ」さんのカエルと蓮の葉の柄の小風呂敷です。 蓮の葉の緑に濃い鉄色の小さなカエルが映えています。 <<次回のはなし 前回のはなし>>
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