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和の暮らし
二月如月

二月 如月

二月の別名は如月(きさらぎ)。
中国最古の辞書といわれる爾雅(じが)の中の「二月を如となす」という記述に由来しているそうです。
これを日本では「きさらぎ」と呼ぶようになりました。
寒さがぶり返し、衣類を重ねて着ることから「衣更着」、草木が芽吹き、生気が生まれるので「生更ぎ」、 陽気が更に増してくるので「気更来」、などが、「きさらぎ」の語源と言われています。
諸説ありますが、「きさらぎ」という言葉の響きには、きりりとした清冽さ、そして、万物が密やかに目を覚まし、動きはじめる生命力が感じられます。

二月 立春・雨水

立春

立春とは季節の変わり目である節分の一つで冬が終わる時です。
まだ寒さは厳しいですが、この頃から少しずつですが、春の気配がしてきます。
新暦では2月4日頃から18日頃です。

立春の初候(新暦2月4日~8日頃)「東風凍を解く(とうふうこおりをとく)」

春風が氷を解かしはじめる時期になります。
本来春風は南風のはずですが、なぜ東風と呼ぶのでしょうか?
中国の陰陽五行思想では春は東を司るため、春風を東風と呼ぶのだそうです。

立春の次候(新暦2月9日~13日頃)「黄鶯睆(うぐいすなく)」

黄鶯睆とは、鶯が山里で鳴き始めるという意味です。
鶯の特徴あるさえずりを耳にすると、春の訪れを感じることから、うぐいすは「春告鳥」とも言われます。

立春の末候(新暦2月14日~18日頃)「魚氷に上る(うおこおりにあがる)」

春の兆しに氷も少しずつ緩んで割れ、魚も動き始めます。
元気のよい魚の中には、割れた氷の間から跳ね上がるものも出てきます。
この頃の溶けて薄くなった氷のことを薄氷(うすらい)といいます。
美しい日本の言葉のひとつですね。

雨水(うすい)

寒さが緩み、降るのが雪から雨に変わりはじめ、根雪もゆっくりと溶けだす頃。
古来より、農耕を始める目安の時期とされてきました。
新暦では2月19日頃から3月4日頃です。

雨水の初候(新暦2月19日~23日頃)「土脈潤い起こる(どみゃくうるおいおこる)」

堅く凍っていた土が雨で緩み、柔らかく潤ってきます。
まさに大地が目覚め、草木を育む準備を始める音が土底からしてくるような時期です。

雨水の次候(新暦2月24日~28日頃)「霞始めて靆く(かすみはじめてたなびく)」

靆く(たなびく)とは、霞や霧が薄く横長に引くように空に舞うこと。
湿り気を持った南風が吹いて来て、山野がぼんやりかすんで見えることが多くなります。

雨水の末候(新暦3月1日~4日頃)「草木萌え動く(そうもくもえうごく)」

雪解け水で大地が緩み、次第に陽光も柔らかく差して来ます。
冬の間にじっと蓄えていた命の息吹が目覚めはじめ、それぞれが萌え出ずる時期です。

節分と立春

今では節分というと冬の二月三日を指しますが、昔は季節の変わり目を節分と呼び、節分は一年に四度ありました。
立春、立夏、立秋、立冬、それぞれすべての前の日が節分でしたが、次第に旧暦で一年のはじめとなる立春だけが残り、その前の日が節分と呼ばれるようになりました。
まだ寒さは厳しいですが、立春は節分で邪気や穢れを祓い、清々しい心で新しい年を迎える日なのです。

節分の追儺式

古来、季節の変わり目には邪気が生ずると考えられ、この節分には邪気払いの行事が行われました。
平安時代から宮中では、この邪気を鬼として払う意の「鬼やらい」の儀式、「追儺(ついな)式」という行事を催しました。
宮中行事の追儺式は、方相氏(ほうそうし)と呼ばれる鬼を払う役目の役人と、方相氏の脇に仕える侲子(しんし)と呼ばれる役人が、大内裏の中を声をかけて回るものでした。
現在でも全国各地に追儺式を行う寺社があり、京都御所の鬼門を守る吉田神社では古式に忠実な追儺式を行っています。

節分の豆まき

時を経て、追儺式は旧年の厄を払う儀式として、庶民の間でも行われるようになりました。
庶民行事になると、鬼やらいの儀式は「鬼は外、福は内」といいながら、豆を投げつけて鬼を追い払う行事、豆まきに変化して行きました。
ところでなぜ豆をまくと鬼退治になるのでしょう?
由来のひとつには、京の都に降りて来て悪さをする鞍馬の鬼を、炒った豆で鬼の目をつぶし退治した、という故事があります。
豆(まめ)は「魔の目を打つ」、「魔を滅する」に通じるからという言い伝えもあります。
又、五穀の一つとして日本で古くから栽培されている大豆には、米と同じく穀霊(穀物に宿る神霊)が宿り、邪気を払う力があるという穀霊信仰もありました。
これらが融合して、魔を滅する穀類「豆」を使うことが、鬼(邪気)を払うために有効だと信じられたのでしょう。
節分の豆まきには、豆の持つ生命力や魔除けの呪力などを信じ、無病息災を願う人々の祈りが込められているように感じます。

初午(はつうま)と稲荷

初午(はつうま)とは、二月の最初の午の日のことで、この日に行われる神事も指します。
本来は旧暦二月の最初の午の日でしたが、現在では新暦二月の最初の午の日を指すようになりました。
そのため元々は春先の行事だったのが、冬の一番寒い時期の行事となりました。
初午の神事は主に稲荷神社で行われるのですが、その由来は京都伏見稲荷だといわれています。
伏見稲荷の大神が稲荷山の三ヶ峰に降りてこられたのが和銅4年の初午の日で、それから大神を偲び仰ぎ奉る神事が始まったと伝えられています。
農村では初午の日は、春の耕作の初めに田の神を山から里にお迎えする日でもありました。
農民たちは稲の豊作を願い、狐を神の使いとして崇め、稲荷社は全国各地に祀られていきました。 本来はこのような豊作祈願が主でしたが、最近では開運・福徳・商売繁盛をもたらす神として、広く人々にあがめられています。
初午の日は蚕や牛馬の祭日とする風習があるところもあり、江戸時代には、子供が寺子屋へ入門する日ともされました。
二月の2回目の午の日は二の午(にのうま)、3回目を三の午(さんのうま)と言い、これらの日にも祭礼を行う地方や、二の午もしくは三の午にのみ祭礼を行う地方もあります。
京都伏見の稲荷神社、愛知県の豊川稲荷、茨城の笠間神社などをはじめ、各地の稲荷神社で初午祭が行われ、二の午・三の午も続ける寺社もあります。
ところで、稲荷という名はどのようにして生れたのでしょうか?
それにはいくつかの由来があり、ひとつには稲を荷ぐ(かつぐ)から稲荷という説があります。
その昔、天照大御神は五穀生産を豊受明神に任せました。
豊受明神は国中に稲穂の荷を配るのを狐に命じ、狐は稲穂を荷いで配りました。
ここから、稲荷という言葉が生まれ、狐との関係も生まれたということです。
又、「稲生り」から来たという説もあります。
稲荷の祭神は宇迦之御魂の神で、五穀をつかさどる農業神なので、稲を生らす(ならす)から、というのもうなずける説です。
稲作の実りの「米」で命を繋いで来た日本人にとって、「米」は豊かさの象徴であり、貨幣の代わりでもありました。
稲荷はまさに日本の豊穣の象徴の言葉であったことが分かります。

針供養

普段から使っている針を休め、折れた古い針を供養する行事を針供養といいます。
使い終わった針は豆腐やこんにゃく、餅などに刺し,川へ流したり近くの社寺へ持ち寄って供養します。
多くの地域で二月もしくは十二月の八日に行われて来ました。
この風習は中国にあった「社日(土地神の祭日)に針線(針と糸、針仕事)を止む」という古い習慣が、日本に伝わって始まったといわれています。
いつ伝来したかは定かではありませんが、平安時代、清和天皇により、針供養のお堂が法輪寺に建立されたそうで、 9世紀後半には、日本で針供養の風習があったと考えられています。
現代では針を使うことは少なくなりましたが、昔は衣類をはじめ、身の回りのものは全て自分たちの手で縫いました。
針は毎日の生活に欠かせぬもので、一年中休むことなく、よく働いてくれたはずです。
働き者だった折れた針、曲がった針を柔らかい豆腐やこんにゃくに刺すのは、それまでの頑張りを労い、ゆっくり休んでもらうという気持ちからだと思います。
日本人はこんな風に、無生物である針にも命があると考え、生前の働きに感謝して手を合わせてきたのです。
資源やものが少ないから大事に使う、という思いは勿論あったでしょう。
しかし、ただそれだけではなく、自らを取り巻く八百万全てのものに、感謝と祈りを込めて生きてきた日本人の思いが、この行事にも込められているように感じます。

バレンタインデー

現在では女性が男性にチョコレートをプレゼントする日になっているバレンタインデーの2月14日ですが、古代ローマ時代は女神ユノの祝日でした。
ユノはローマ神話で結婚や家庭を守る女神であり、全ての神の女王でした。
当時、このユノの祝日である2月14日の翌日、2月15日からは、ルペルカリア祭という安産の祭が行われていました。
当時、若い男女は別々に生活していたので、ルペルカリア祭は男性と女性が巡り合う唯一のお祭りでした。
このルぺルカリア祭の前日の2月14日、女性たちは自分の名前を札に書き、桶に入れておきます。
そしてルぺルカリア祭当日、男性たちは桶から札を引き、その札に書いてある名前の女性と、祭の間、一緒に過ごしました。
この祭りで、多くの男女ペアは仲良くなり、結婚することとなりました。
約800年の間、続けられた風習でしたが、ローマ教皇ゲラシウスの時代になると、「愛する人を故郷に残した兵士がいると士気が下がる」という理由から、これを禁止してしまいました。
当時、キリスト教の司祭だった聖バレンティウスは、結婚が許されない兵士をかわいそうに思い、密かに結婚させていました。
これを聞いた教皇は怒り、バレンティウスを処刑してしまいました。
バレンティウスの処刑の日は、ユノの祭日であり、ルペルカリア祭の前日である2月14日が、あえて選ばれました。
このようなことから、後にこの日は恋人の日となり、キリスト教徒にとっては聖バレンティウスの祭日になりました。
そんな歴史から海外ではバレンタインの日は、男性が女性に花やカードを贈ったり、食事に誘ったりする日となりました。
ところが日本では反対に、女性が男性にはチョコレートを贈る日になっています。
これは、神戸のモロゾフが「あなたのバレンタイン(愛しい人)にチョコレートを贈りましょう」というキャッチコピーの広告を出して、チョコレートとバレンタインを結びつけたのが、一番古いきっかけと言われています。
その後、メリーチョコレートがバレンタインにチョコレートを贈ろうと提唱したり、流通業界や製菓業界が、販売促進のキャンペーンを続けました。
その結果、今のようにバレンタインデーは、女性から男性にチョコレートを贈るという風習が定着しました。
その後は本命だけでなく、義理で贈る「義理チョコ」ブームや、チョコを貰った男性が、一ヶ月後の3月14日に、キャンディなどのお返しをする「ホワイトデー」という日も生まれました。
近年では、女性が同性の友人に贈る「友チョコ」、自分に贈る「自分チョコ」、ついには、本来の形に戻って、男性が女性に贈る「逆チョコ」なるものも出てきました。
クリスマスやバレンタインデーは、元々はキリスト教から生まれた行事や風習ですが、楽しいことで無理なく受け入れられるなら、日本のものでなくても実にうまくアレンジして取り入れるのは、日本人の得意技ですね。

おうちで楽しむ如月の風呂敷タペストリー

節分柄風呂敷のタペストリー

鬼が豆で追い払われているユーモラスな節分柄の風呂敷です。
豆まきで邪気を払い、新しい年を気持ちよく迎えましょう。


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つつみ純子
お茶の水女子大学卒/風呂敷文化研究家/和文化コンシェルジュ/エコ・クッキング・ナビゲーター/福祉住環境コーディネーター2級/NPO法人徳育と人間力育成研究所アドバイザー
「日本の伝統文化を身近に再発見する」をキーワードに、風呂敷を通して、日本人の知恵や文化をお伝えしています。
又、日本古来の「年中行事」や「四季のしつらい」、「伝統食育」など、日本の生活文化を伝える講演やワークショップも展開しております。
2011年には国際交流基金からポーランド・グルジア等に派遣され、文化交流事業の風呂敷講師として、大学・政府関係機関などで風呂敷講座を行いました。
国内のみならず海外の方々へも、風呂敷を通して日本文化と日本の心をお伝えして参りたいと思い、 オリジナル風呂敷「ふろしきぶる風呂敷」と「つつみフロシキブック」を製作しました。
2020年東京オリンピックでは「大江戸オリンピックは風呂敷でおもてなし」を提唱しています。
また研究し纏めてきた「ふろしき学」が、2015年より都立で単位認定のある授業に採用され、実施しております。
学校教育の中でも、ふろしき文化をこどもたちに伝えていきたいと思っています。
「ふろしきぶる風呂敷」を活用した風呂敷文化の普及及び販売が、東京都中小企業振興公社の支援を受けることになりました。


□URL http://www.furoshikible.com/
□blog http://ameblo.jp/11264ki/
□Facebook https://www.facebook.com/junko.tsutsumi.332


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