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風呂敷で楽しむ和のくらし 第103話
源氏物語の頃の衣食住―4

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源氏物語の頃の衣食住―3

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源氏物語の頃の衣食住―2

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にほんのくらし 長月

長月の兆し 「野分」

九月は台風が多い月です。
「野分」とは台風の古語で、晩夏から秋にかけて頻繁にやってくる台風のことです。
昔は台風のことを「野分(のわき・のわけ)」と呼びました。
今のように天気予報もなかった昔、秋になって突然やってくる「野分」は、驚きと畏れの存在だったと思います。
  当時は今のように整地されておらず建物も少ないので、この暴風雨はまさに野の草木を吹き分けてやってくる「野分」だったのですね。
「野分」は大層印象的な気象だったようで、古典文学にもよく登場します。
清少納言は枕草子で「野分のまたの日こそ、いみじうあはれにをかしけれ」と台風の過ぎた後の日が趣深いと書いています。
源氏物語には「野分」という帖があり、野分が通り過ぎる間の様子が細やかに描かれています。
源氏を彩る女性たちの間で揺れ動く夕霧の心が、「野分」で揺さぶられる草木の様子にたとえられているように感じさせる帖です。
大きな災害をもたらすこともある「野分」ですが、台風が来ることで沢山の雨を降らせ、国土を潤し、海をかきまぜ生態系のバランスをとって来たそうです。
しかし、最近の予想を超える雨量は大きな災害を引き起こすこともあり、警戒や用心も必要で、とても「野分」のようなレベルではありません。
「野分」という言葉が体感できるような「にほんのくらし」に戻るには、私達ひとりひとりが環境について改めて考えてみることが必要かもしれません。

長月の年中行事 「重陽の節供」

中国の陰陽思想では、奇数は「陽」の数字でおめでたいものですが、それが重なると邪気が生じると考えられ、それを祓うための行事が生まれました。
三月三日の雛祭り、五月五日の端午の節供、七月七日の七夕の節供、などはこの陰陽思想から生まれたもので、この奇数の最大の九が重なる日が重陽で、九月九日が重陽の節句です。
この頃は菊の花が盛りの頃なので、宮中では菊の花の美しさを愛で、詩歌を詠み楽しむ「菊花の宴」が行われました。
美しい菊の花は、中国で漢の時代より延命効果があり、不老長寿のシンボルだと考えられてきました。
菊は日本に腰痛や胃腸の不調、体調を整える効能がある薬草として伝わり、漢方ではその蕾は咳止めや婦人病に対して用いられます。
この菊の効能を使い、菊の花や花びらを浮かべたり浸したりした「菊酒」を飲み、長寿や健康を祈ったりもしました。
又、重陽の節句の前夜には、菊花に綿をかぶせ花の露を含ませ、九日の早朝に、露を含んだ綿で顔や体を拭う行事がありました。
これを「菊の着せ綿」といい、菊の花の薬効や不老長寿の力を信じ、若さと健康を保ち、長寿を願いました。
現在の新暦では、九月九日は菊の盛りとはずれていて、米の収穫の時期とかぶります。
そのようなことから現在の日本では、重陽の節供はほとんど見られなくなりました。
なじみが薄くなった重陽の行事ですが、長寿を願い、年配の人を大切にしてきた心は、絶やすことなく受け継いでいきたいものです。

長月の和菓子 「おはぎ」

お彼岸には「おはぎ」が供えられることが多いですが、「ぼたもち」と呼ぶこともあります。
「おはぎ」と「ぼたもち」、どう違うのでしょう?
実は、「おはぎ」とぼたもちは基本的には同じものなのですが、季節や材料、形状や地方によって、呼び名が違うことがあるようです。 
     「ぼたもち」は漢字で書くと「牡丹餅」で、春のお彼岸の頃に咲く牡丹の花に因んでいます。
「おはぎ」は漢字で書くと「お萩」で、秋の彼岸の頃に咲く萩の花に因んだ名です。
このように春はぼたもち、秋はおはぎと季節で呼び分けられていたこともあるようです。
使う材料もほぼ同じで小豆の餡を使いますが、昔は春は漉しあん、秋は粒あん、という違いはあったようです。
秋は小豆が収穫仕立てで皮の部分も柔らかいので、秋のおはぎには粒あんを使いました。
粒餡の小さな小豆の粒は、小さく可憐な萩の花に見えて、そこから「おはぎ」と名付けられたのではないかと思います。
秋に収穫されて一冬超えると、小豆の皮は固くなってしまいます。
それで春の小豆で作る餡は、粒を残さず漉し餡にしたと言われています。
地方によって、餡だけでなく、餅の部分も粒が残ったもの、餅になったもの、餡だけでなくきな粉を使ったものなど、形状や材料も色々な種類のものがあります。
ご先祖様へお供えでき、お下がりとして有難く頂けるお彼岸の「おはぎ」、今年も楽しんで頂きたいですね。

長月の風呂敷の俳句

菊日和いろのさめたる小風呂敷   長谷川櫂

「菊日和」とは、菊の花が咲き乱れるよく晴れた秋の日のことをいいます。
秋晴れの空は天高く青く澄み、とりどりに咲く菊の花の色も冴え冴えと浮かんできます。
そこへ通りかかる人が手に持つのはよく使い込んだ小風呂敷包み。
色あせるまで使っているのはやはり年配の人でしょうか。
小風呂敷の色が褪めていくように秋も深まっていくようです。

長月のふろしき

菊友禅柄ふろしき

長月のふろしきYoutube 「瓶二本包み」

瓶二本をしっかりきっちり包んで運べる包みです。
瓶同士だけでなくワインとバゲットなど堅さや形が違うものも、一緒に出なく別々に包めるので、柔らかい方がつぶれたりせずに持ち運べる賢い包み方です。

1分で出来る風呂敷包み 「ふ、ふ、ふ、ふ、ふろしき~瓶二本包み~」

ふ、ふ、ふ、ふ、ふろしき!
つつんで、むすんで、おでかけ!(フー!)
瓶を それぞれ 左右に
倒して ゴロゴロ 転がし
立たせて 上で 真結び
きっちり 二本 仲良し
ふ、ふ、ふ、ふ、ふろしき!
つつんで むすんで おでかけ!
なんでもできる おどろき!
フロシキブルに ふろしき!(フー!)


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つつみ純子
お茶の水女子大学卒/風呂敷文化研究家/和文化コンシェルジュ/エコ・クッキング・ナビゲーター/福祉住環境コーディネーター2級/NPO法人徳育と人間力育成研究所アドバイザー
「日本の伝統文化を身近に再発見する」をキーワードに、風呂敷を通して、日本人の知恵や文化をお伝えしています。
又、日本古来の「年中行事」や「四季のしつらい」、「伝統食育」など、日本の生活文化を伝える講演やワークショップも展開しております。
2011年には国際交流基金からポーランド・グルジア等に派遣され、文化交流事業の風呂敷講師として、大学・政府関係機関などで風呂敷講座を行いました。
国内のみならず海外の方々へも、風呂敷を通して日本文化と日本の心をお伝えして参りたいと思い、 オリジナル風呂敷「ふろしきぶる風呂敷」と「つつみフロシキブック」を製作しました。
2020年東京オリンピックでは「大江戸オリンピックは風呂敷でおもてなし」を提唱しています。
また研究し纏めてきた「ふろしき学」が、2015年より都立で単位認定のある授業に採用され、実施しております。
学校教育の中でも、ふろしき文化をこどもたちに伝えていきたいと思っています。
「ふろしきぶる風呂敷」を活用した風呂敷文化の普及及び販売が、東京都中小企業振興公社の支援を受けることになりました。


□URL http://www.furoshikible.com/
□blog http://ameblo.jp/11264ki/
□Facebook https://www.facebook.com/junko.tsutsumi.332


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