風呂敷で楽しむ和のくらし 第74話
にほんの四季のうつろい 〜二十四節気〜

風呂敷で楽しむ和のくらし 第73話
にほんのくらし 神無月

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にほんのくらし 長月

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にほんのくらし 皐月

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にほんのくらし 弥生

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にほんのくらし 皐月

皐月の兆し 「風薫る」

四月は雨が多く雨の名前が沢山ありますが、五月は「風薫る」に代表されるように風を感じる言葉が多くみられます。
「風薫る」は元々は漢語の「薫風」で、それを訓読みして和の言葉になりました。
五月の清々しく爽やかな風は、若葉や青葉の木立を吹き抜けてやってきます。
大いなる自然の営みの中で生かされていた古の人々の感性は、その風の中に緑の生き生きとした香りを感じたのでしょう。
「風薫る」と同じような言葉には「青葉風」「若葉風」「緑風」「清風」「爽風」などがあり、どれも爽やかな大気の流れが見えるような言葉です。
「風薫る」は俳諧でよく使われ、「風かほる羽織は襟もつくろはず(松尾芭蕉)」、「薫風やともしたてかねついつくしま(与謝蕪村)」、「薫風や畳替へたる詩仙堂(川端茅舎)」など、初夏を感じさせる季語として使われています。
「薫風」よりもう少し強く吹く風を「青嵐」といい、「せいらん」とも「あおあらし」とも読みます。
心地よい頃合いの「薫風」に比べ、より強さを増した爽快な風が「青嵐」です。
「青嵐」には「薫風」の爽やかさに加え、荒々しい烈しさや勇壮さが感じられます。
「夏嵐机上の白紙飛び尽す(正岡子規)」、「駈けだせば止まらぬ少年青嵐(加藤秋邨)」、「濃き墨のかはきやすさよ青嵐(橋本多佳子)」、など、「青嵐」にはものを吹き飛ばす速さだけでなく、受けたものにも人にもエネルギーを与えてくれる強さがあるように思えます。

皐月の行事 「八十八夜」

「茶摘み」という唱歌があります。

1番 夏も近づく八十八夜
野にも山にも若葉が茂る
あれに見えるは茶摘じゃないか
茜襷(あかねだすき)に菅(すげ)の笠

2番 日和つづきの今日此の頃を、
心のどかに摘みつつ歌ふ
摘めよ摘め摘め摘まねばならぬ
摘まにや日本の茶にならぬく

京都の宇治田原町の茶摘み歌が元と伝えられているこの歌にも、八十八夜という言葉が出てきます。
太陰暦を元としている日本の旧暦では、暦の日と季節が半月近くずれてしまうので、日本独自に太陽暦を元とした季節指標を作り広まったのが雑節です。
八十八夜はこの雑節の一つで、立春から数えて八十八日目の日を指し、今年2021年は5月1日、来年2022年は5月2日です。
この頃は種蒔きや田植えの準備、そして茶摘みなど、本格的な農作業の準備をする時期です。
通常は霜が降りるのはこの頃までなので、農作物に被害が出ないよう、農家に注意喚起するため、この日を雑節の八十八夜としたともいわれています。
ところで八の字は末広がりでおめでたい数字で、八十八はそれが重なった縁起のよい数字です。
そのため、八十八夜に摘んだお茶は貴重で珍重され、この日に摘んだお茶を飲むと長生きするとか、一年間病気にならないと言われています。

皐月の和菓子 「柏餅」

五月五日の端午の節句の和菓子には柏餅が使われます。
柏餅は上新粉で作った餅を平たい丸形にし、中に餡を挟んで二つに折り柏の葉に包んだ和菓子です。
柏の木の葉は、新芽が出るまで古い葉が落ちません。
昔の人はその新芽を子ども、古い葉を親に見立てて、親が子の成長を大事に見守ると考え、柏の葉は「家の存続」と「子孫繁栄」の象徴とされるようになりました。
その柏の葉で巻いた柏餅は縁起のいい食べ物として定着していき、徳川将軍家でも九代将軍家重から十代将軍家治の頃にこの縁起を取り入れました。
その後、端午の節句に柏餅を食べる風習は参勤交代で日本全国に行き渡りました。
柏餅の餡は粒餡、漉し餡、その他、味噌餡のものもあり、京都では白味噌餡を使うところもあります。
餅は基本的にはそのままの白い餅が多いですが、緑色の蓬生地の餅のものも作られています。
柏餅の柏の葉は包装や香りづけのためなので、桜餅の桜の葉の塩漬けのように食べることはおすすめしませんが、柏の葉を使う意味を知ると一段と柏餅の味が引き立つように思います。

皐月の風呂敷の俳句

「風呂敷をひろげたような五月富士」 武藤不二彦

「五月富士」は五月の富士山と思いそうですが、この五月は旧暦の五月で、現在の新暦の五月より遅い時期になります。
旧暦の五月は現在の五月末から七月初め位までを指します。
この時期には富士山の雪解けもかなり進み、岩肌が見え始めます。
裾野では新緑がいよいよ濃く染まり、残雪の白と岩肌の茶、新緑の緑が鮮やかなコントラストを描きます。
いよいよ夏富士になる前の「五月富士」は実に美しい彩に包まれて雄大な姿を見せてくれます。
そんな見事な富士山の形を作者は風呂敷を広げた形と見てくれました。
確かに風呂敷をひし形に広げて置くと、上半分は上の角と左右の角を結んだ三角形になり、山の形に見えます。
風呂敷は四角い布ですが、包む時は大抵ひし形に広げて中に包むものを置いて包みます。
この作者はよく風呂敷で物を包んだ方ではないでしょうか。
ちょうど五月富士が勇壮な姿を見せている頃、風呂敷で物を包もうと広げた風呂敷に、富士の見事な姿を思い出したのかもしれません。
普段の何気ない生活の中に風呂敷が息づいていたことを伝えてくれる俳句です。

皐月のふろしきYoutube

風呂敷をひし形に広げ、対角線上に包む中身を置き、下半分を折り上げて三角形にします。
両側の端を前で真結びし、上の端を真結びすると「リボン包み」が出来ます。
四角く平たいものを包むのが得意で、パソコン包みとかお稽古バッグとも呼ばれます。

1分で出来る風呂敷包み 「ふ、ふ、ふ、ふ、ふろしき~リボン包み~」

ふ、ふ、ふ、ふ、ふろしき!
つつんで、むすんで、おでかけ!(フー!)
学校行くのも ふろしき
教科書 ノートに モバイル
下半分かぶせて 三角形
真結び二つで リボン包み
ふ、ふ、ふ、ふ、ふろしき!
つつんで むすんで おでかけ!
なんでもできる おどろき!
フロシキブルに ふろしき!(フー!)


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つつみ純子
お茶の水女子大学卒/風呂敷文化研究家/和文化コンシェルジュ/エコ・クッキング・ナビゲーター/福祉住環境コーディネーター2級/NPO法人徳育と人間力育成研究所アドバイザー
「日本の伝統文化を身近に再発見する」をキーワードに、風呂敷を通して、日本人の知恵や文化をお伝えしています。
又、日本古来の「年中行事」や「四季のしつらい」、「伝統食育」など、日本の生活文化を伝える講演やワークショップも展開しております。
2011年には国際交流基金からポーランド・グルジア等に派遣され、文化交流事業の風呂敷講師として、大学・政府関係機関などで風呂敷講座を行いました。
国内のみならず海外の方々へも、風呂敷を通して日本文化と日本の心をお伝えして参りたいと思い、 オリジナル風呂敷「ふろしきぶる風呂敷」と「つつみフロシキブック」を製作しました。
2020年東京オリンピックでは「大江戸オリンピックは風呂敷でおもてなし」を提唱しています。
また研究し纏めてきた「ふろしき学」が、2015年より都立で単位認定のある授業に採用され、実施しております。
学校教育の中でも、ふろしき文化をこどもたちに伝えていきたいと思っています。
「ふろしきぶる風呂敷」を活用した風呂敷文化の普及及び販売が、東京都中小企業振興公社の支援を受けることになりました。


□URL http://www.furoshikible.com/
□blog http://ameblo.jp/11264ki/
□Facebook https://www.facebook.com/junko.tsutsumi.332


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