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水無月の和くらし

月の名前 水無月



六月の別名は、常夏月、風待月、涼暮月、蝉羽月、鳴神月、夏越月、などがあります。
旧暦の六月は六月下旬から八月上旬の頃で、夏の暑い時期に当たります。
そのため、ずっと暑い時期が続くという意味の常夏月、風が吹いて欲しいという風待月、日が暮れたあとの涼風が楽しみな涼暮月、蝉の羽のように薄物を着るという意味の蝉羽月、などと呼ばれました。
雷が多い時期なので、鳴神月とも呼ばれます。
又、六月は一年の半分の晦月で、十二月の年越しの祓と共に、夏越の祓として半年分の穢れを払う神事が行われるため、夏越月とも言われました。
六月の別名の中でも、一番よく知られているのは「水無月」でしょう。
しかし、六月は日本では雨が多い梅雨の時期なのに、なぜ「水が無い月」と書くのでしょう?
「水が無い」と書きますが、実はこの「無」は、連体詞の「の」で、「水無月」は、「水の月」ということ。
「水無月」は、実は水に深く関係する月という意味なのです。
又、旧暦六月は田んぼに水を張る時期で、それから「水張り月」と呼ぶようになり、それが次第に変化して、「みなづき」と呼ばれるようになったという説もあります。
又、昔は田んぼの仕事は村の農民みんなが協力しあってやったことから、「皆尽月」と名づけられ、それが変化して「みなづき」となったという説もあります。
「水無月」という月名は、稲を育てる田んぼと、田んぼに張る水に深く関係しているのです。
旧暦の暦の言葉からは、日本人の命を繋いで来た稲作と共にあったことがわかります。




父の日



アメリカから伝わった「母の日」は、5月の第二日曜日と日本でも定着しています。
母の日に比べると多少影が薄いけれど、6月第三日曜日は、「父の日」です。
「父の日」は、ソノラ・スマート・ドットという女性が、「母の日」のように、父親にも感謝する日を作って欲しいと、牧師協会へ嘆願したことがきっかけで始まりました。
ソノラの母親は、父親が南北戦争で兵士として招集されると、女手ひとつで6人の子どもを抱え、働いて一家を支えました。
南北戦争が終わり、父親が復員するとまもなく、母親は亡くなってしまいます。
残された父親は、ソノラを末っ子に6人の子供たちを男手ひとつで育て上げました。
再婚することもなく、働きづめで子供たちを成人させた後、父親は亡くなりました。
そんな父の姿を見て育ったソノラに、母に感謝する日があるなら、父にも感謝する日を!という思いが生まれたのは、当然のことかもしれませんね。
ソノラが父親にも感謝する日を作って欲しいと、牧師協会に嘆願したのは1909年で、翌年の6月19日には、父の日の祝典などが行われましたが、一般にはまだまだ知られていませんでした。
広く知られるようになったのは、1916年の父の日の祝典で、アメリカ合衆国第28代大統領ウッドロー・ウィルソンが演説をしたことがきっかけだったと言われています。
又、1966年には、アメリカ合衆国第36代大統領リンドン・ジョンソンが父の日を称賛する大統領告示を発し、6月の第3日曜日を父の日に定めました。
正式に「父の日」がアメリカの国の記念日とされたのは、1972年のことです。
日本で「父の日」が広まり始めたのは、1950年頃からで、まだ認知度は低く、より一般的に広まったのは1980年代になります。
その後、デパートなどで「父の日」の贈り物のイベントが行われたり、メディアでも取り上げるようになり、最近はお父さんに感謝する日として認知されるようになりました。
今年の「父の日」は、普段言えない感謝の言葉をお父さんに贈ってみてはいかがですか。



水無月の食の歳時記 新じゃが



一般的なのじゃがいもは、冬から春先にかけて植えたものを、秋に収穫し出荷します。
新じゃがいもは、冬に植えたものを春先に収穫したものが、そのまま出荷されたものです。
じゃがいもは、南アメリカのアンデス地方が原産地で、本来は暑さを嫌って涼しい気候を好みます。
そのため、南北に長い日本列島では、新じゃがの収穫時期が違います。
2月~6月頃は、九州地区の鹿児島や長崎で収穫されたもの、5月~8月頃は、関東地区の千葉や茨城で収穫されたもの、そして7月~8月頃は、北海道で収穫されたものを新じゃがと呼んでいます。
このように、新じゃがは、春先は九州地方のものから夏の北海道まで、日本全国の産地の旬のものが頂けます。
じゃがいもは見た目に寄らず、ビタミンCが豊富に含まれていますが、新じゃがはもっと多く、リンゴの8倍のビタミンCを含有しています。
ビタミンCは本来は熱に弱いのですが、じゃがいものビタミンCは油で揚げても75%は残るので、様々な料理の材料に使えます。
新じゃがの皮は、薄くて柔らかいので、手でこすれば剥けてしまうほど。
野菜や果物は皮と実の間に栄養分が豊富なので、新じゃがはよく洗ったら、皮ごと調理してもよいのです。
収穫後、即出荷されるので、水分が多く瑞々しいのですが、そのため日持ちがしません。
春から初夏にかけての野菜、新じゃが、購入したら、早めに料理に使って美味しくいただいてくださいね。



水無月の風呂敷包み ティッシュボックス包み



六月水無月は、梅雨で雨が続き、少々うっとおしさを感じることもあり勝ちですが、雨に洗われ、緑が冴え冴えと映える時期でもあります。
梅雨の晴れ間は歩いて楽しみ、雨の日には、緑一杯の小風呂敷で包んだティッシュボックスで、おうちの中でも美しい初夏の緑を楽しみましょう。
 (使用した風呂敷は、自遊布「日本の夏」小風呂敷)




水無月のふろしき

六月水無月の花と言えば紫陽花でしょう。
雨に打たれながらも、静かに、でもたわわに大きな花を咲かせる紫陽花は、梅雨の季節の愉しみです。
こちらの風呂敷は、薄手の二四巾(90cm四方)の綿素材なので、風呂敷バッグや大ぶりなストールとしても使えます。





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つつみ純子
お茶の水女子大学卒/風呂敷文化研究家/和文化コンシェルジュ/エコ・クッキング・ナビゲーター/福祉住環境コーディネーター2級/NPO法人徳育と人間力育成研究所アドバイザー
「日本の伝統文化を身近に再発見する」をキーワードに、風呂敷を通して、日本人の知恵や文化をお伝えしています。
又、日本古来の「年中行事」や「四季のしつらい」、「伝統食育」など、日本の生活文化を伝える講演やワークショップも展開しております。
2011年には国際交流基金からポーランド・グルジア等に派遣され、文化交流事業の風呂敷講師として、大学・政府関係機関などで風呂敷講座を行いました。
国内のみならず海外の方々へも、風呂敷を通して日本文化と日本の心をお伝えして参りたいと思い、 オリジナル風呂敷「ふろしきぶる風呂敷」と「つつみフロシキブック」を製作しました。
2020年東京オリンピックでは「大江戸オリンピックは風呂敷でおもてなし」を提唱しています。
また研究し纏めてきた「ふろしき学」が、2015年より都立で単位認定のある授業に採用され、実施しております。
学校教育の中でも、ふろしき文化をこどもたちに伝えていきたいと思っています。
「ふろしきぶる風呂敷」を活用した風呂敷文化の普及及び販売が、東京都中小企業振興公社の支援を受けることになりました。


□URL http://www.furoshikible.com/
□blog http://ameblo.jp/11264ki/
□Facebook https://www.facebook.com/junko.tsutsumi.332


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