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12月 師走のくらしの彩

師走の風物詩



羽子板市

江戸の町には一年に三度、太市が開かれました。
その中でも年末の師走12月の市が一番にぎわい、それは歳の市と名付けられました。
お正月用の歳の市は、江戸中期までは浅草に限られていて、又浅草寺の縁日と重なって賑わい、江戸の町の年中行事になりました。
明治以降になると、お正月用品の購入はすたれ、今では江戸中期から流行り出した、羽子板市に変わって賑わうことになりました。
室町時代の看聞日記という書物に「永享4年(1432年)正月御所において公喞、女官のかたがたが、紅白に分かれて、羽根突きに興じた」と記録があります。
このことから、羽子板は、それ以前から作られていたことが分かります。
羽子板は古くは「胡鬼板」とも呼ばれ、正月の遊び道具として、新年を迎える贈り物としても使われました。
新年に邪気を払いのけて、子どもが健やかに成長することを願う意味もありました。
新年を迎える行事として定着した羽子板飾りには、蒔絵などの技法を用いて美しい装飾専用の羽子板が作られました。
とりわけ江戸の庶民に受け入れられていったのが押絵羽子板です。
庶民の間で熱狂的にもてはやされ、歌舞伎の人気役者や、浮世絵の美人画など押絵羽子板は、江戸の人々の人気を集めました。
現在でも、浅草寺の羽子板市は約30軒の羽子板の露店の他、沢山の屋台・露店が仲見世を抜けた辺りから軒を連ねます。
今では定番の歌舞伎の絵柄だけでなく、その年に活躍した芸能人・政治家・スポーツ選手・キャラクターなどの「世相羽子板」も名物となっています。
様々な柄の押絵の羽子板がずらりと並ぶ師走の風物詩「羽子板市」へ一度お出かけになってみてはいかがでしょう?



師走の和歌



「数ふればわが身につもる年月を送り迎ふと何いそぐらん」平兼盛「拾遺和歌集」

数えてみると、自分に積もり重なる年月なのに、どうして、一年を送るといってはあわただしく、 新年を迎えるといってはせわしく、準備をしているのだろう。
年を越すのには何も急ぐ必要はないのに、と、平安時代中期にうたわれた和歌です。
平安時代の貴族でさえ、年末は今と同様、気ぜわしく感じていたことがわかります。
いつの世も人はそんなに変わらないのかもしれません。



師走の色



「薄雲鼠(うすくもねず」

師走に入ると、寒さは日毎に厳しくなってきます。
木立は冬枯れて坊主姿になり、霜が降り、氷が張り、北国では雪の便りも増えてきます。
空も薄曇りの日が増えていき、街は、うっすら墨をたらしたような、薄曇りのような灰色に染まっていきます。
薄墨色とも呼ばれる淡い灰色「薄雲鼠」と呼ばれる空の寒い冬が訪れてきます。



師走の文様



「水仙文様」

特徴的なラッパのような形の面差しと、すっきり伸びる茎や葉が印象的な花です。
寒さ厳しい中、楚々とした可憐な花を咲かせる水仙は、冬の花として愛されてきました。
水仙の仙は、吉祥を意味するところから、新春の瑞兆花とされてきました。
文様としては、水仙のまっすぐな姿を生かしたものや、丸い形の水仙の丸にしたものがあります。



師走の風呂敷

雪輪文様



師走になると北国から次第に雪の便りがまいこんできます。
雪の結晶を模った文様は実に繊細で美しいもの。
花が少ない冬を彩る文様です。


墨色(すみいろ)



ふろしきぶる風呂敷Lサイズ墨色×一斤染



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つつみ純子
お茶の水女子大学卒/風呂敷文化研究家/和文化コンシェルジュ/エコ・クッキング・ナビゲーター/福祉住環境コーディネーター2級/NPO法人徳育と人間力育成研究所アドバイザー
「日本の伝統文化を身近に再発見する」をキーワードに、風呂敷を通して、日本人の知恵や文化をお伝えしています。
又、日本古来の「年中行事」や「四季のしつらい」、「伝統食育」など、日本の生活文化を伝える講演やワークショップも展開しております。
2011年には国際交流基金からポーランド・グルジア等に派遣され、文化交流事業の風呂敷講師として、大学・政府関係機関などで風呂敷講座を行いました。
国内のみならず海外の方々へも、風呂敷を通して日本文化と日本の心をお伝えして参りたいと思い、 オリジナル風呂敷「ふろしきぶる風呂敷」と「つつみフロシキブック」を製作しました。
2020年東京オリンピックでは「大江戸オリンピックは風呂敷でおもてなし」を提唱しています。
また研究し纏めてきた「ふろしき学」が、2015年より都立で単位認定のある授業に採用され、実施しております。
学校教育の中でも、ふろしき文化をこどもたちに伝えていきたいと思っています。
「ふろしきぶる風呂敷」を活用した風呂敷文化の普及及び販売が、東京都中小企業振興公社の支援を受けることになりました。


□URL http://www.furoshikible.com/
□blog http://ameblo.jp/11264ki/
□Facebook https://www.facebook.com/junko.tsutsumi.332


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