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11月 立冬・小雪 立冬(りっとう) 冬の気配が少しずつ感じられてくる時期です。暦の上では立冬から立春の前日までを冬と考えました。新暦では11月7日頃から21日頃です。 立冬の初候(新暦11月7日~11日頃) 「山茶始めて開く(つばきはじめてひらく)」 山茶花が咲き始める頃。中国ではツバキ科の花は全て総じて山茶と呼ぶようで、山茶花が椿とよく似ていたので混同したようです。 立冬の次候(新暦11月12日~16日頃) 「地初めて凍る(ちはじめてこおる)」 そろそろ霜が降りる時期。大地は凍えはじめ、氷が張り、本格的な冬を迎える準備の時期となります。 立冬の末候(新暦11月17日~21日頃) 「金盞香し(きんせんこおばし)」 金盞とは黄金色の杯のことで、水仙の別名です。水仙の清楚な姿にふさわしい上品でかぐわしい香りが漂う季節です。 小雪(しょうせつ) 立冬から数えて15日目頃。 北国からの雪の便りがきこえる頃ですが、まだ本格的な降雪ではないので、小雪と名づけられたといわれています。 新暦では11月22日頃から12月6日頃までです。 小雪の初候(新暦11月22日~26日頃) 「虹蔵れて見えず(にじかくれてみえず)」 次第に日差しが弱くなり、曇りが多くなります。虹が見えることも少なくなり、見えたとしてもすぐ消えてしまうようになります。 小雪の次候(新暦11月27日~12月1日頃) 「索風葉を払う(さくふうはをはらう)」 索風の索というのは北という意味。北から吹いてくる冷たい風が、木々から葉を払い落とし、冬木立を寒々としていきます。 小雪の末候(12月2日~6日頃) 「橘始めて黄なり(たちばなはじめてきなり)」 橘の実が黄色く色づく頃です。橘は日本に古くからら自生していた日本固有の柑橘です。常緑なことから「永遠」の象徴ともされてきました。 日本の年中行事 七五三 子供の健やかな成長を願い、三歳、五歳、七歳で行う行事です。 七五三の起源は、平安時代中頃、公家の間で行われていた三歳から七、八歳までの男女のお祝いの儀式のようです。 中世では、男女とも三歳になると、それまで剃っていた髪の毛を伸ばしはじめる「髪置(かみおき)」という儀式が行われるようになりました。 男子が五歳で袴を着け始める「袴着(はかまぎ)」、、女子が七歳で帯で締めて着る着物に替える「帯解(おびとき)」という儀式も行われるようになります。 ところで七五三のお参りの日はなぜ11月15日になったのでしょうか? 由来としては、三代将軍徳川家光の袴着の儀の日であるという説や、五代将軍綱吉の袴着の日であるという説など諸説があります。 ともかくも、江戸時代初期には11月15日と定められたようで、庶民もこれに倣い、七五三の祝いの行事をするようになりました。 七五三のお宮参りに欠かせないのが、千歳飴です。 千歳飴の千歳とは千年も生きて欲しいとして名づけられたもの。そして、長いその形状も長生きを願ったものです。 千歳飴を入れた袋には、鶴亀や松竹梅などが描かれています。全て長寿を象徴し、また縁起がよいものです。 又、熊手を持つおじいさんと箒を持つおばあさんの図「尉(じょう)と姥(うば)」が描かれている袋もあります。 尉と姥は高砂神社の松に宿る神様です。厄を掃き、常盤の松葉をかき集めることで、こどもの長寿と幸せを具現化した図柄なのです。 飴の色も紅白で、名前も形も色も包装紙も、長寿と吉祥の祈りにあふれた千歳飴には、 子どもが健やかに成長して欲しいという親の願いが深く込められています。 七五三のしつらい やや紫がかった色がやや紫がかった桃色から退染(あらぞめ)と呼ばれる薄い桃色までグラデーションになっていて、牛車が重なり描かれています。 七五三それぞれに行事がありますが、行われる通過儀礼には全て由来や意味があります。 女の子なら筥迫(はこせこ)や櫛、簪、男の子なら、懐剣やお守り、扇子など、七五三に使われる小物を飾って祝いましょう。 霜月のふろしき 木枯らしに吹かれ、はらはらと舗道に降り注ぐ落ち葉。深まる秋を落ち葉拾いで楽しんでみてはいかがでしょう。 <<次回のはなし 前回のはなし>>
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