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日本の浮世絵を楽しむ―4 蔦屋重三郎

浮世絵の名プロデューサー 蔦屋重三郎

蔦屋重三郎は、江戸中期に浮世絵が大きく発展し、黄金期を迎えたことを語るのに欠かせない人物です。
吉原に生まれた蔦屋重三郎は、最初は遊郭の案内書である細見を売る細見屋でした。
次第にその才覚で力を付けていき、自らも細見を刊行し、本屋を持ち、出版も手掛ける版元になっていきます。
当時の本屋には教書など硬い内容の書物を扱う書物問屋と、草双紙や絵草子などの庶民が好む地本問屋がありましたが、蔦重の本屋が扱ったのは地本の分野でした。
庶民の好みや流行を読む才覚にたけた蔦重は、黄表紙や洒落本、狂歌本など多くのヒット作を出版していきます。

蔦重はまた、才能豊かな浮世絵師や読本作家を見出し育て、世に送り出しました。
蔦重がプロデュースして売り出したのは、浮世絵師では喜多川歌麿、葛飾北斎、歌川広重、鳥居清長、東洲斎写楽など、読本作家では山東京伝、滝沢馬琴、十返舎一九など、いずれも後世に名を残す錚々たる面々でした。
蔦重が売り出した彼らが活躍した天明・寛政期は、後世になってからは浮世絵の最盛期黄金期として高く評価されています。

ただ寛政の改革で出版も弾圧され、蔦重は財産の半分を没収されたり、歌麿も処罰されたりした時代でもありました。
そんな中でも、蔦重は反骨精神に溢れ、常に新しいアイデアで取り締まりの目をかいくぐり、果敢にチャレンジを続けました。
蔦重という人は、単なる版元というだけでなく、浮世絵を筆頭に江戸中期の庶民の文化を大きく花開かせ、市井の人々が気軽に親しめるエンターテインメントを提供した、実に凄腕の名プロデューサーだったといえるでしょう。

蔦重と喜多川歌麿

蔦屋重三郎が見出し育てた浮世絵師は沢山いますが、中でも蔦重が才能を見込み、自ら面倒を見て育てあげたのが、喜多川歌麿です。
蔦重が新進気鋭の版元として頭角を現した頃に会ったのが、北川歌麿という絵師でした。
蔦重は歌麿の才能を見出し、雅号を北川から自らの養親の「喜多川」姓に改めさせ、自身の本屋に住まわせて、彼の面倒をみます。


喜多川歌麿「青樓十二時-続・卯ノ刻」

この頃、江戸の庶民の間では、社会風刺や滑稽、皮肉を織り交ぜた狂歌が大いに流行っていました。
蔦重は当時の江戸の文芸界で活躍する狂歌師や戯作者達と交流する中で、歌麿の才能を売り込みながら、狂歌絵本の出版を企画します。
そして人気の狂歌師の狂歌に合わせた挿絵の絵師に歌麿を起用します。
のちに歌麿の狂歌絵本三部作と言われるのが、この頃出版された「画本虫撰」「百千鳥狂歌合」「潮干のつと」で、流行の狂歌師の遊び心溢れた狂歌と描写力優れた歌麿の絵が楽しめる狂歌絵本は、人気を博しました。


喜多川歌麿「婦女人相十品・ポッピンを吹く女」

ところが寛政の改革の取り締まりで、洒落本などの出版で蔦重も処罰され、財産の一部を没収されてしまいます。
しかし、蔦重は幕府の弾圧にめげず、新たに歌麿に美人大首絵を描かせ、大々的に売り出します。
この歌麿の美人大首絵の「婦人相学十躰」「婦女人相十品」などの連作は、大ヒット作品となります。
こうして蔦重は歌麿を大人気の美人画絵師として育て上げ、自身も浮世絵の版元として再び成功していきます。

蔦重と東洲斎写楽

歌麿と並び、蔦重が深く関わった浮世絵師は東洲斎写楽です。
彗星のごとく現れた写楽は、蔦重の元で28枚もの歌舞伎役者の大首絵を一挙に出版します。
それまでの舞台の役柄の役者絵と違い、役者本人に似せて描く写楽の新しい作風の大首絵は、大反響を呼びます。


東洲斎写楽「市川鰕蔵の竹村定之進」

写楽はそれまでの経歴をはじめ、どこの誰かもわからない謎の絵師でしたが、蔦重のプロデュースで実に鮮やかなデビューを果たしたのです。
それからたった10ヶ月の間に、写楽は140数点の浮世絵を蔦重の元で出版しますが、その後は忽然と姿を消してしまいます。
写楽の正体は、徳島藩蜂須賀家のお抱え能役者だった斎藤十郎兵衛ではないかという説が有力ですが、未だ謎多きままです。


東洲斎写楽「二世大谷鬼次の奴江戸兵衛」

歌麿の風呂敷「寛政三美人」柄

歌麿の初摺りのこの作品には、「當時三美人」と三人の女性の名前、富本豊ひな・難波屋きた・高しまひさという字が入っていました。
しかし、残っている作品の多くには題名と名前がありません。
実はこの作品が出版された頃は寛政の改革の真最中で、浮世絵の題名に一般の女性の名前を入れてはいけなかったのです。
しかし、歌麿は名前を書かなくとも、その女性が誰か分かるように工夫を凝らしました。
難波屋おきたは桐の紋が入った団扇を持ち、高島お久は家紋の三つ柏紋の着物、富本豊雛は桜草紋の着物、と彼女達の身に着けるものや持ち物にそれぞれのモチーフを描くことで、見分けられるようにしたのです。

写楽の風呂敷「役者大首絵」柄

写楽が描いた、有名な「市川蝦蔵の竹村定之進」や、「三世大谷鬼次の奴江戸兵衛」など、当時の歌舞伎役者の演じた役柄の大首絵がずらりと並んだ柄の風呂敷。
歌舞伎ファンには大いに楽しめる風呂敷です。


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つつみ純子
お茶の水女子大学卒/風呂敷文化研究家/和文化コンシェルジュ/エコ・クッキング・ナビゲーター/福祉住環境コーディネーター2級/NPO法人徳育と人間力育成研究所アドバイザー
「日本の伝統文化を身近に再発見する」をキーワードに、風呂敷を通して、日本人の知恵や文化をお伝えしています。
又、日本古来の「年中行事」や「四季のしつらい」、「伝統食育」など、日本の生活文化を伝える講演やワークショップも展開しております。
2011年には国際交流基金からポーランド・グルジア等に派遣され、文化交流事業の風呂敷講師として、大学・政府関係機関などで風呂敷講座を行いました。
国内のみならず海外の方々へも、風呂敷を通して日本文化と日本の心をお伝えして参りたいと思い、 オリジナル風呂敷「ふろしきぶる風呂敷」と「つつみフロシキブック」を製作しました。
2020年東京オリンピックでは「大江戸オリンピックは風呂敷でおもてなし」を提唱しています。
また研究し纏めてきた「ふろしき学」が、2015年より都立で単位認定のある授業に採用され、実施しております。
学校教育の中でも、ふろしき文化をこどもたちに伝えていきたいと思っています。
「ふろしきぶる風呂敷」を活用した風呂敷文化の普及及び販売が、東京都中小企業振興公社の支援を受けることになりました。


□URL http://www.furoshikible.com/
□blog http://ameblo.jp/11264ki/
□Facebook https://www.facebook.com/junko.tsutsumi.332


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