ペアレンティングホームは、横浜でこどもの森ほいく舎という保育園、学童園を運営している石尾さん、そして川崎の不動産会社の社長(当時)としてシェアハウスの企画運営をしていた細山さんとの出会いから生まれた。
石尾さんとの出会いは2011年5月26日。
当時、参加をしていたビジネス交流会で名刺交換をして、その後、横浜市の建築局でばったりと再開した。
Facebookで繋がらせていただくと、ちょうど石尾さんがご自身のシングルマザーである経験を次のシングルマザーに還元していきたいという内容の投稿をしているのを見かけた。
この人だったら、良い話し合いができるかもしれない。
と思い、すぐに連絡をとらせてもらった。
この頃はちょうど、コンセプト型シェアハウスと呼ばれるシェアハウスが徐々に認知度をあげていっていた時期だった。ならば、仕事も子育ても両立しやすい住環境をつくるために、子育て向けのシェアハウスが実現できるといいのではないか。という話で盛り上がった。
とはいえ、世の中にはまだ家族が住めるシェアハウスという存在はほぼ皆無であり、どのように道筋をつけて実現をさせていくかは引き続き課題として残っていた。
ただ、手をこまねいているだけでは何も進まないので、僕の方で架空の建築のパースを描き、家族が住んで、みんなで子育てができる環境がある住まいのイメージを目に見える形にしてみることにした。
何事も目に見えるイメージがないと、人はなかなか動かない。とくに今までになかったものだと尚更である。
とにかく、できるだけ多くの人にイメージを共有して、少しでも共感してくれる人、賛同してくれる人をみつけることから始めようと話し合っていた。
そこで、開催したのが、「子育てを共有するシェアハウスを語る」という座談会だ。
僕が用意したイメージ図をもとに、子育てが共有できる住まいってどんなものだろう。子育てを共有することができる暮らしがあれば、もっと子育ても仕事も両立しやすくなるんじゃないか。そんな空想を参加者と膨らましていくための座談会である。
そして、その場に参加者として来てくれたのが、細山さんだった。
ちょうど細山さんも自身の経営する会社のスタッフにシングルマザーがいて、子育てをコンセプトにしたシェアハウスができないかと考えていた。そんなタイミングで座談会を知って、参加してくれることになったのである。
さらには、シェアハウスにするために改修工事を始めようとしていた物件のコンセプトを何にするか決めかねていたという、なんとも都合の良いタイミングでの出会いだった。
こうして、日本で初めてとなるシングルマザー専用シェアハウス「ペアレンティングホーム高津」のメインキャストが顔を揃えることになる。2011年11月のことだった。
ちなみに、石尾さんと出会った日は僕の誕生日。細山さんと出会ったのは細山さんの誕生日だった。
偶然とは本当に面白いものだなと思う。