僕は一級建築士事務所秋山立花という建築設計事務所の代表をしている。いわゆる建築家と呼ばれる職業である。個人でも法人でも、新しい建築物を建てたいという人から依頼を受けて、企画・デザイン・設計・現場監理を行っている。仕事の内訳としては、個人の住宅の設計が4割。保育園などの福祉施設の設計が3割。集合住宅の設計が2割。店舗の設計が1割。といったところだ。そのほかには大学で非常勤講師として授業を受け持っている。過去には横浜国立大学。今は東洋大学で授業を担当させていただいている。
事務所を立ち上げたのは2008年。27歳の時だった。建築家の独立開業としては、比較的早い部類に入ると思う。大学の建築学科を卒業して、大学院には進まずに建築設計事務所に就職。3年間修行をして、一級建築士試験に合格。そしてそのまま独立。当時はまだ建築士資格を取得すれば、いつでも独立することができたけれど、今は資格取得からさらに3年間の実務経験を経ないと独立することができないから、20歳代での独立というのは今後は少なくなっていくかもしれない。
事務所は現在、正社員3名、アルバイト2名。小さな事務所である。正社員の3名は横浜、京都、鳥取にそれぞれいて、完全なリモートワークにも対応しているという、少し変わった働き方をしている。

秋山立花は『社会と人生に新しい選択肢を産みだす』という理念を掲げている。それこそが、僕が母子ハウスを立ち上げた根幹でもある。
建築は人々の人生や社会を本当に豊かにしてくれるものだ。では、豊かさとは一体なんだろう? 豊かさについて考えを巡らせていた時に出した答えが「選択肢が多いこと」だった。
人生の様々な場面で、自分自身の意思で選ぶことができる選択肢がしっかりとあるか。選択肢が限られてしまっている社会は貧困であり、選択肢が十分に用意されている社会こそが豊かである。と僕らは考えた。
そうであれば、建築家という職業は必然的に社会と人生に新しい選択肢を産みだすことができる存在なのではないか、と。
この理念を掲げてからは、建築設計事務所である前に、選択肢を産みだしていける事務所でありたい。と行動をするようになった。