にほんのくらし 睦月
睦月の兆し 「寒の入り」
一年で最も寒いこの時期を「寒」といいます。
二十四節気の中でも、寒さが一層厳しくなる小寒を「寒の入り」と言い、春が始まる立春を「寒の明け」と呼びます。
「小寒の氷、大寒に解く」という言葉があるように、寒の入りの方が寒いと感じる時もあります。
この時期に行われる行事には、「寒稽古」や「寒中水泳」などがあります。
これらの行事をわざわざ一年で一番寒いこの時期に行うのは、厳しい寒さに耐えることで、精神と身体を鍛える意味合いがあるのでしょう。
この時期の夜は凍えそうな寒さが続きますが、見上げた夜空に光る星の瞬きは、見とれてしまうほど美しい時期でもあります。
睦月の行事 「正月行事」
「正月」というのは元々は新年を迎えた最初のひと月の事ですが、今では正月行事をする期間をいいます。
地域によって、1月7日の松の内まで、というところもあれば、1月15日の小正月まで、というところもあります。
正月行事は、新しい年を司る歳神様をお迎えする行事です。
歳神様は家族に幸福と健康を授け、新年の五穀豊穣や家内安全をもたらしてくれます。
暮れに立てる角松や、玄関に飾るしめ飾りは、歳神様に来て頂くための目印です。
お正月に頂く「おせち」は、本来は折々の節日に神様に供える料理のことをいい、次第に節日の中でも一番重要な正月の料理を指すようになりました。
「おせち」は年神様に捧げる供物で、五穀豊穣、家族の安全と健康、子孫繁栄をお祈りするものが詰められています。
数の子は子孫繁栄、黒豆は丈夫でまめまめしく働けるように、田作りは稲をはじめとする五穀豊穣など、それぞれに願いが込められ、重箱に詰めて供えました。
「お年玉」は今では子供に現金を渡すことになりましたが、本来は年神様から新年に新しい魂「年魂(としだま)」を頂くことを指しました。
歳神様は鏡餅などのお供え餅に宿ります。
それを小分けにし、餅玉にしたものが「歳魂」で、家長は家族に「お年魂(お年玉)」として分けて配りました。
この「歳魂」を食べる料理が「お雑煮」となり、歳の始めの活力としておせちと共に頂くようになりました。
睦月の和菓子 「花びら餅」
普段はコーヒーに洋菓子派の方でも、お正月にはお茶に生菓子や羊羹など、和菓子を頂く機会が多いのではないでしょうか?
お正月の和菓子として知られるのは、裏千家の初釜に使われる「花びら餅」です。
花びら餅の由来には諸説ありますが、平安時代の「歯固め」の儀式で、元々は押し鮎のような堅いものを食べ、健康と長寿を願う儀式だったようです。
鮎は「年魚」とも書き、年始に相応しいので使われたと土佐日記にも記されています。
それが次第に鏡餅に鮎や大根を添えたものになり、より簡略化され、宮中雑煮として、餅に食べ物を包んだものが配られるようになります。
時代を経る間に押し鮎は牛蒡に、お雑煮は白味噌にと変って行き、今の花びら餅の形になっていきました。
明治時代、裏千家十一代玄々斎が初釜で使うことを許可され、全国の和菓子屋さんに新年の和菓子として広まっていきました。
睦月の風呂敷の俳句
「去年今年空風呂敷の包み癖」乾 燕子
去年今年は新年の季語です。
大晦日の除夜の鐘を聴き終えると、去年と今年が入れ替わります。
先ほどまでが過ぎた年であり、一夜にして新しい年を迎えます。
改まった新年の寿ぎに、風呂敷包みに包まれていた正月道具を出したのでしょうか。
結びを解かれ、中身を出した後の風呂敷は空になっていますが、包んであったものの形が残っていたり、結び目の後が残っていたりします。
一年に一度しか使わない正月道具を包んだ風呂敷には、空になっても包み癖が残っているもの。
正月が終わると、お道具は又、包み癖の通りに包んで結んで、来年のお正月までしまわれます。
風呂敷はそれから一年間、そんな正月道具を包み癖と共に、大切に包んで守っていくのでしょう。
睦月のふろしきYoutube
1分で出来る花びら包み
向かい合う端と端を互い違いに結んでいく包みで、花びらのように見える包みです。
四つ包みとも呼ばれ、結び目がしっかり結べるので、お正月のおせちを入れる重箱などを包むのにぴったりの包みです。
「ふ、ふ、ふ、ふ、ふろしき~花びら包み~」
ふ、ふ、ふ、ふ、ふろしき!
つつんで、むすんで、おでかけ!(フー!)
何を贈ろうか わくわく
花びら包みで プレゼント
たがいちがいに 左右と前後
結んで お花が 出来ました♪
ふ、ふ、ふ、ふ、ふろしき!
つつんで むすんで おでかけ!
なんでもできる おどろき!
フロシキブルに ふろしき!(フー!)