にほんのくらし 師走
師走の兆し 「雪吊り」
冬の間に樹木に雪が積もることで樹木の枝が折れることのないよう、縄で枝を保護することを「雪吊り」といいます。
積雪の多い地方では、11月から12月半ばにかけて、この「雪吊り」をして、樹木を守ります。
「雪吊り」でひときわ有名なのが、金沢の兼六園です。
金沢は藩政時代から造園の技術が発達し、「雪吊り」の技術は「兼六園方式」と呼ばれ、全国から庭師さんが学びに行くそうです。
「雪吊り」には木の大きさや枝ぶりにより種類があり、使い分けられています。
大きく枝ぶりがよいものは、芯柱を立て、その先から縄を張って枝を支える「リンゴ吊り」を施します。
兼六園随一の大きさを誇る「唐崎松」は「リンゴ吊り」の要領で5本の芯柱が建てられ、800本にも及ぶ縄で枝を吊るそうです。
幹のしっかりした大きな木には、幹から縄を張って枝を支える「幹吊り」で保護します。
背の低い木も、形に応じて「小しぼり」「竹ばさみ」「四又しぼり」など、様々な吊り方で保護します。
様々なバリエーションが見られる兼六園の「雪吊り」は、北陸の師走の風物詩のひとつです。
師走の行事 「お歳暮」
令和の二つ前の昭和時代までは、夏のお中元、年末のお歳暮は年中行事の一つといってもよいほどで、その時期のデパートの中元歳暮売り場は、贈り物を選ぶ人でごったがえしていました。
お歳暮の元々の起源は、年の変わり目のご先祖様の霊へのお供え物でした。
それが親や里の親への挨拶になっていき、近年になると仲人や上司などお世話になった人に贈るようになりました。
本来はそのお宅に持参してご挨拶をしたものでしたが、次第に簡略化されて、配送業者が配送してくれるようになりました。
最近は儀礼廃止が進み、お歳暮を贈る風習もかなり減ってしまいました。
それでも、お世話になった方へ、感謝の気持ちを込めてお品を選べることは、心豊かで幸せを分かち合えること。
今年も暖かい気持ちを持って、お歳暮を選び贈ることが出来る、そんな年の暮れが迎えられますように。
師走の和菓子 「柚餅」
柚子の語源は、中国語の「柚(ユ)」。
植物そのものが「柚(ユ)」それに「子」が付いた「柚子」は「柚(ユ)」の実ということです。
平安時代は「柚(ユ)」といっていたそうで、江戸時代以降、柚子と呼ぶようになりました。
柚子は色も香りもよく、果汁も皮も使えるので、和菓子にもよく使われます。
有名なものには、鶴屋義信の定番「柚餅」があります。
「柚餅」と書いて「ゆうもち」と読みます。
モチモチの柔らかな求肥に、和三盆がまぶしてあります。
柚子の香りと和三盆の優しい甘みが重なりあう、「柚の香味」と「和三盆の甘味」が折り重なう、鶴屋義信の代表銘菓です。
師走の風呂敷の俳句
「包むもの選ばぬ風呂敷十二月」鷹羽狩行
お歳暮の話でも書いた昭和時代の半ばまでは、普段使いにも、旅行に行くのにも、荷物を運ぶのにも、風呂敷は実によく使われていました。
しっかりした綿生地の唐草文様や濃い藍色の大きな風呂敷包みは、年末の大売り出しの納品だったのでしょうか。
年の暮れに急ぎ足の礼服の人は、慶事だったのか、弔事だったのか。
その手に嵩張る引き出物は、たいてい紫と白の暈しのナイロンの風呂敷に包まれていました。
お世話になった人に届けるお歳暮は、上品な絹の風呂敷に包まれ、大切に腕に載せて、そのお宅まで届けたものでした。
師走の風呂敷は、色々なシチュエーションに様々な中身を包んで、行き交ったのでした。
師走のふろしきYoutube
1分で出来る風呂敷エコバッグ
2020年7月1日からレジ袋有料化が始まりました。
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