にほんのくらし 霜月
霜月の兆し 「木枯らし」
晩秋から冬の始め頃、北から強く冷たく吹き付ける風を「木枯らし」と呼びます。
木の葉を吹き飛ばして、枯れ木にしてしまうほどの強い風のことで、日本で作られた漢字である国字では「凩」と書きます。
ところで、国語辞典で「木枯らし」を引くと、解説の二番目に「すりこぎをいう女房詞」とあります。
この用例には「嬉遊笑覧」という随筆の「木枯しとは葉の落たる木をすりこぎといふがごとし」が挙げられています。
北からの冷たい木枯らしが吹くと、木の葉は吹き散らされ、 葉を全て飛ばされた木は、幹を露わにされてしまいます。
その様が正に「すりこぎ」のように見えることから、凩はすりこぎを想起させるものとして、言い伝えられてきたのでしょう。
霜月の行事 「酉の市」
酉の市は、鷲神社、酉の寺、大鳥神社など鷲や鳥に因む寺社の年中行事で、主に関東地方を中心とした祭です。
例年11月の酉の日に行われ、大酉祭(おおとりまつり)、お酉様(おとりさま)ともいわれます。
「酉の日」は、毎日に干支十二支を当てて定める日付け法で、「酉」に当たる日のことです。
十二支は12日おきに巡ってくるのですが、日の巡り合わせによっては、酉の日は2回の年と3回の年があります。
3回ある場合は、初酉を「一の酉」、次を「二の酉」、3回目を「三の酉」と呼びます。
この「三の酉」まである年は、火事が多くなるかもしれないと言われて来ました。
そのため、三の酉がある年には普段に増して、世の中では火の用心が心がけられました。
酉の市には沢山の露店商が出ますが、中でも熊手を売る露店が沢山あります。
その年話題になった人物や事柄を付けた熊手もあり、酉の市の賑わいは、晩秋の風物詩です。
霜月の和菓子 「千歳飴」
霜月には子どもの成長を祝う七五三の節供があり、お宮参りが行われて来ました。
この節供欠かせないのが、千歳飴です。
千歳飴の千歳とは千年ということで、七五三を祝う子供への長く久しく生きて欲しいという願いから名付けられたものです。
子供たちの人生が長く続くようにと、その形状も細長くなりました。
千歳飴を入れた袋には、長寿を象徴し、鶴亀や松竹梅などが描かれてきました。
又、熊手を持つおじいさんと箒を持つおばあさんの図「尉(じょう)と姥(うば)」が描かれている袋もありました。
尉と姥は高砂神社の松に宿る神様で、厄を掃き、常盤の松葉をかき集めることで、こどもの長寿と幸せを具現化した図柄なのです。
飴の色も紅白で、名前も形も色も包装紙も、長寿と吉祥の祈りにあふれた千歳飴には、子どもが健やかに成長して欲しいという親の願いが深く込められています。
今はキャラクターがデザインされたパッケージになっていたりしますが、袋にも子供の成長の祈りが込められていたことを忘れずにいたいものです。
霜月の風呂敷の俳句
「木枯にひろげて白し小風呂敷」芥川龍之介
木枯らしが吹く中を、どんな用事なのか風呂敷をひろげた人がある。
冷たい強い木枯らしの風を吹き付けられた風呂敷は、ハタハタと激しく風になびき、大きく広がったことでしょう。
真っ白な風呂敷は殆どないと思うのだけれど、晩秋の灰色の空に広がった風呂敷の色の明るさは、目に鮮やかに焼き付いたのでしょう。
霜月のふろしきYoutube
1分で出来る真結び
ふろしきのうた「ふふふふろしき~真結び」」、このふろしきのうたと共にやってみて、マスターしてくださいね♪
「ふ、ふ、ふ、ふ、ふろしき(真結びバージョン)」
ふ、ふ、ふ、ふ、ふろしき!
つつんで、むすんで、おでかけ!(フー!)
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変幻自在な 布です
唐草文様に 麻の葉文様
基本の真結び やってみよう!
ふ、ふ、ふ、ふ、ふろしき!
つつんで むすんで おでかけ!
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