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卯月の和くらし

月の名前 卯月



四月の別名は「卯月」。
卯の花が咲く時期だから、その「卯」という字を取って「卯月」と言われています。
「卯月」の他に「卯花月」「花残月」「植月」「種月」「鳥来月」「孟夏」「始夏」「夏初月」などがあります。
四月は、春の花は終わり、田植えや種まきが始まり、鳥がやってきて、まさに春が終わり、夏が始まる時なのです。
ところで、この月の別名となった「卯の花」は、ユキノシタ科ウツギ属のウツギという落葉低木です。
ウツギという名は、その木の幹が中空で「空木」であることに由来しています。
ウツギは、日本全国に広く自生し、日本の山野に自生し、多くの種類があります。
この時期に、小さな純白の花が枝垂れの枝にみっしりと咲きそろいます。
その様子は歌曲「夏は来ぬ」に「♪卯の花の匂う垣根にホトトギス早も来鳴きて♪」と詠われています。
卯の花には香りはないので、この歌詞の「匂う」は、匂うほどに白く咲き乱れている様子を表しているといわれています。
古来より和歌などで、この卯の花は初夏の訪れを告げる花として愛されて来ました。
それは匂うと読まれるほどに美しく見える花の様に加え、その純白の白い蕾が、米粒を連想させたからではないでしょうか?
今と違い、秋の収穫は人々の命を繋げるかどうかの大切な事柄でした。
田植えを迎えるこの頃に、白く清らかな卯の花が咲き乱れる様は、秋の豊穣な実りを連想させたに違いありません。
このように卯の花は田植えの開始を告げる花でもあったのです。
住吉大社には、大社の創立が神功皇后摂政11年辛卯年の卯月上の卯の日であるという伝承により、「卯の葉の神事」が伝えられ行われています。
この神事では卯の花の玉串を神前に捧げ、石舞台にて舞楽が奉納されます。
現在では五月の最初の卯の日になりましたが、江戸時代は「四月卯之日神事」として、盛大に行われたそうです。




十三参り



子どもたちが数えで十三歳になった年の旧暦三月十三日(今では四月十三日)に、親と共に氏神様やお寺に参る行事です。
平安時代の初めに清和天皇が数えの十三歳になった年に、京都嵯峨の虚空蔵法輪寺へ勅願法要を催したのが、始まりと言われています。
虚空蔵法輪寺の虚空蔵菩薩は、十三番目に誕生した智恵と福徳を司る菩薩とされていて、十三参りは別名、知恵詣りとか知恵もらいとも言います。
十三詣りはそれらの風習と、虚空蔵菩薩の縁日の十三日とが結びついたものと考えられます。
数え年の十三歳は、十二支が一巡し、生まれ年に戻った年であり、厄年でもありました。
関東ではなじみが薄いですが、関西では七五三同様、子供の健やかな成長の行事として行われました。
昔は十三歳と言えば女子はお嫁に行く人もあり、男子も元服が近い年です。
もうすぐ大人として巣立っていく我が子に、知恵と福徳を授けてもらいたいという、親の願いが込められた行事です。



卯月の食の歳時記 新たまねぎ



春先に出てくる柔らかく瑞々しい玉ねぎのことを新たまねぎといいます。
玉ねぎは、大きさや皮の色などにより、白たまねぎ、黄たまねぎ、赤たまねぎ、小玉ねぎなど色々と種類があります。
新たまねぎは、その中でも黄玉ねぎや白玉ねぎを早取りし、すぐに出荷するたまねぎです。
本来は収穫後、日持ちをよくするために、一か月くらいは日に当てて乾燥させます。
しかし、新たまねぎは収穫後すぐに出荷するので、皮は薄く柔らかく、水分が多くて柔らかいのです。
ずっしりと重く、表面がつややかなものを選ぶとよいでしょう。
栄養価としては、新たまねぎも玉ねぎも同様で、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、カルシウム、鉄、硫化アリル、カリウムなどを含みます。
たまねぎの独特の香りや匂いの元は、硫化アリルで、血液をサラサラにする効果があります。
その他にも、食欲を増進してくれたり、ビタミンB1の吸収を促す作用があります。
硫化アリルは熱に弱いのですが、新たまねぎは生食に向いているので、サラダなどで食べれば、効率よく摂取出来ます。
ただし、硫化アリルもビタミンB1、B2、Cも、全て水溶性なので、水にさらす時間は出来るだけ短くがおすすめです。
血圧を下げ、脳卒中の予防にも効果があるカリウムも多く含みます。
新玉ねぎは、水分が多いので、あまり日持ちはしないので、早く食べ切る方がよいでしょう。
瑞々しくて辛味も少なく、生食も出来るので、あまり手をかけずに食べられる便利な食材、この時期どんどん活用したいですね。



卯月の風呂敷包み 花びら包み(四方包み)

お花見はじめ、戸外でお弁当を食べるのによい季節。
重箱に手作りのおかずやおにぎりを詰めて出かけましょう。
お重のように何段かになるものは、しっかりきっちり包める四方包みがおすすめ。
交互に真結びをするので、花びらのように見えることから、花びら包みとも言います。




卯月のふろしき

桜はどの桜も美しく、風呂敷に描かれた桜もどれも美しい。
その中に宇野千代さんが愛した桜の柄があります。
どれも美しいのですが、宇野千代さんと縁の深い「薄墨桜」のイメージの色柄の正絹ふろしきです。





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つつみ純子
お茶の水女子大学卒/風呂敷文化研究家/和文化コンシェルジュ/エコ・クッキング・ナビゲーター/福祉住環境コーディネーター2級/NPO法人徳育と人間力育成研究所アドバイザー
「日本の伝統文化を身近に再発見する」をキーワードに、風呂敷を通して、日本人の知恵や文化をお伝えしています。
又、日本古来の「年中行事」や「四季のしつらい」、「伝統食育」など、日本の生活文化を伝える講演やワークショップも展開しております。
2011年には国際交流基金からポーランド・グルジア等に派遣され、文化交流事業の風呂敷講師として、大学・政府関係機関などで風呂敷講座を行いました。
国内のみならず海外の方々へも、風呂敷を通して日本文化と日本の心をお伝えして参りたいと思い、 オリジナル風呂敷「ふろしきぶる風呂敷」と「つつみフロシキブック」を製作しました。
2020年東京オリンピックでは「大江戸オリンピックは風呂敷でおもてなし」を提唱しています。
また研究し纏めてきた「ふろしき学」が、2015年より都立で単位認定のある授業に採用され、実施しております。
学校教育の中でも、ふろしき文化をこどもたちに伝えていきたいと思っています。
「ふろしきぶる風呂敷」を活用した風呂敷文化の普及及び販売が、東京都中小企業振興公社の支援を受けることになりました。


□URL http://www.furoshikible.com/
□blog http://ameblo.jp/11264ki/
□Facebook https://www.facebook.com/junko.tsutsumi.332


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