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1月 小寒・大寒 小寒(しょうかん) 寒さがしだいに厳しくなっていくころで、小寒の日から「寒」の季節に入ります。 新暦では1月5日頃から19日頃です。 小寒の初候(新暦1月5~9頃) 「芹乃栄う(せりさかう)」 芹が生えてくるころ。 芹は湿地や畔などに競り(せり)合うように群生することから、「芹」と名付けられたといわれています。 春の七草のひとつで、正月七日には一年の健康を願い、七草粥をいただきます。 小寒の次候(新暦1月10日~14日頃) 「水泉動く(すいせんうごく)」 水泉とは地中で凍りついていた泉が、かすかに緩み、動きはじめるということ。 十一日にはお供えの鏡餅を割り、鏡開きをします。 小寒の末候(新暦1月15日~19日) 「雉始めてな(句に隹)く(きじはじめてなく)」 雉の雄が雌への求愛の甲高い声を上げる頃。 雉は微かな陽気を感じることができる鳥だそうです。 雉は日本の国鳥。昔はもっとなじみが深い鳥だったのでしょう。 大寒(だいかん) その名の通り、一年の中で最も寒さが厳しくなるころ。 新暦では1月20日頃から2月3日頃です。 大寒の初候(新暦1月20日~24日頃) 「款冬華さく(ふきのとうはなさく)」 款冬とは蕗のこと。 まだ大地は凍てついている中にも、蕗の薹(ふきのとう)が頭をのぞかせてきます。 一番寒いこの時期にも、地中では春を迎える準備が進んできています。 大寒の次候(新暦1月25日~29日頃) 「水沢腹く堅し(みずさわあつくかたし)」 流れがある沢の水でも、この時期は堅く厚く張り詰めるようになります。 日本の最低気温マイナス四十二度はこの時期に確認されました。 大寒の末候(新暦1月30日~2月3日頃) 「鶏始めて乳す(にわとりはじめてにゅうす)」 鶏が卵を産み始めるころです。 蕗の薹が頭を出すけれど、水はまだ凍り、三寒四温を繰り返しながら、季節は春を目指します。 その中で目には見えねども、生き物の息吹は着々と命を育んでいます。 日本の年中行事 節分の豆まき 本来、節分は年に四回、季節の変わり目である立春、立夏、立秋、立冬、これら全てが節分でした。 ただ旧暦で一年のはじめとなる立春は人々にとって特別な日だったのでしょう。立春のみが節分として残りました。 昔は季節の変わり目には邪気が生ずると考えられたので、節分には邪気(悪霊)払いの儀式として追儺(ついな)式が宮中でも行われました。 それが時を経て、庶民の間で旧年の厄を払う節分行事になり、邪気の悪霊の象徴としての鬼に、豆を投げて打ち払う行事になりました。 今では「鬼は外、福は内」のように豆をまきますが、それではなぜ豆をまくと鬼退治になるのでしょう? 豆まきの由来としては、京の都に降りて来て悪さをする鞍馬の鬼を、炒った豆で鬼の目をつぶし退治した、という故事があります。 豆(まめ)は「魔の目を打つ」、「魔を滅する」に通じるからそうしたのだ、という説が伝えられています。 又、日本人は米をはじめ穀物には邪気を払う力があると考え、豆の霊力で邪気を払おうとしたともいわれています。 農耕民族である日本人は、米をはじめ穀物に力があると信じた穀霊信仰を持ってきました。 それがこの豆まきにも反映されているのではないでしょうか? 今は部屋が汚れる、と袋に入った豆が豆まき用として売られていますが、今年は自分で豆を炒ってみませんか? 睦月のしつらい お正月のお祝いを終えたあと、お正月花は長く持つ緑が多いですが、椿は花がポトンと落ちてしまうことがあります。 水盤に浮かせておいてやると、その美しさがしばし楽しめます。 睦月のふろしき なんといっても富士山柄風呂敷でしょう。 葛飾北斎が描いた「凱風快晴」は、登る朝日に赤く染まった富士山の姿で、通称「赤富士」と呼ばれます。 タペストリーにしても、お祝いやご挨拶の包みにもふさわしい風呂敷です。 <<次回のはなし 前回のはなし>>
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