◆焼酎の器の話。
◆焼酎の器の話。

体をクールダウンさせてくれる炭酸割りやロックの冷効果。
温効果のあるお湯割りや直燗。
もっと焼酎を楽しむために、それぞれの産地特有の酒器を紹介しましょう。

◆抱瓶(ダチビン)
沖縄を代表する酒器。上から見ると三日月形のユニークな形。 別名「腰瓶(ガマクビン)」とも呼ばれ、昔、農夫たちが農作業に行くときに、 腰に下げて携帯するため、内側が腰にフィットするこの形になったと言われています。
  ◆琉球ガラスの酒器
琉球ガラスは、戦後、米軍がもたらした大量の廃瓶を利用して再生させた色鮮やかなガラス製品。 廃瓶を混ぜるため不純物が混在し、気泡が入ることで、独特の味わいあるガラスになります。 徳利やぐい呑み、水割り用グラスは清涼感があり、冷酒に最適。
◆カラカラ
徳利に注ぎ口がついたような沖縄の酒器。九州・沖縄地方では「貸せ」=「カラ」。 お酒の席で、「カラカラ(貸せ貸せ)」と、あちこちで声がかかったことにちなんでつけられたと言われています。
◆千代香(チョカ)
黒い黒千代香と白い白千代香の2種。 鹿児島のいも焼酎のお燗には欠かせない酒器。 黒千代香の燗は、焼酎を水で好みの濃さに割り、黒千代香に注ぎ、出来るだけ弱火で温めます。 温めすぎず、50度くらいが適温。使い込むうちに焼酎が容器にしみこみ、水を入れて温めるだけで焼酎の味がするほどに。 そのため飲み終わっても水洗いしません。 平ぺったい形は、桜島がモチーフだと言われています。なんだか可愛らしいですね。
◆ソラキュウ
コマのように底の部分が尖っていて、お酒を飲み干さなければ下に置けない杯。 底の部分に穴をあけたものもあり、ソラッ!と差し出されキュッと飲み干すことからこの名がつけられました。

ところで、食中酒にも向いている焼酎は、どんな食べ物に合うのでしょう?

沖縄の泡盛には、もちろん沖縄料理が合います。
泡盛のなかでも、3年以上貯蔵または仕次ぎされたもの(減った分だけ次に古い泡盛を補充すること)、 つまり3年以上貯蔵した泡盛が全量の50%以上のものを「古酒(クース)」といいます。
古酒のどっしりとした味わいには、ラフテー(豚肉の角煮)やミミガーサシミ(豚の耳のピーナツ酢和え)、ゴーヤチャンプルーなどがオススメ。

鹿児島のいも焼酎には、さつま揚げやきびなごの刺身、黒豚のしゃぶしゃぶサラダ。
熊本の球磨焼酎(米焼酎)には、豆腐の味噌漬けやからし蓮根、団子汁。
大分の麦焼酎には、頭料理や、きらすまめしが酒の肴に絶好と言われます。

チーズ好きの私のオススメは、焼酎にはハードタイプのミモレットやウォッシュタイプのポンレベック、 泡盛にはブルータイプのフルムダンベール。
ちょっと酒器にも凝って、九州の郷土料理にチャレンジし、「おうちグルメ」を満喫しては、いかがでしょう?