◆紅茶の話。(2)
◆紅茶の話。(2)

アイスティーを飲むのは、なんとアメリカと日本だけ。
暑さの厳しい中近東やインドでもアイスティーはほとんど飲みません。
紅茶は冷すと香りが失われ、濁ってしまうという性質があるからです。

では、香りがよく、澄んだおいしいアイスティーをいれるには、どうしたらいいでしょう?


アイスティー

材料
◎ポット、茶漉し、ティースプーン、紅茶、タイマー
◎ポット(2つめ)、グラス、グラスいっぱいの氷、グラニュー糖

煎れ方
(1)茶葉はストレートティーと同量。お湯の量を通常の2/3程度にして濃いめのホットティーを煎れる
(2)蒸らしている間に、別のポット(これは温めなくてよい。ふたもいらない)に、グラニュー糖をアイスティー1杯あたりにスプーン2杯程度いれる。
(3)ホットティーができたら(2)のポットに注ぎ、グラニュー糖をよく溶かす。(時間があるときは30分程度常温で放置する)
(4)氷をグラスの口まで入れ、水気を切り、(3)を一気に注ぐ。濃さが均一なので、複数人の場合でも回し注ぎはしない。

ここで、アイスティーの問題点「クリームダウン」について。
アイスティーを煎れると、白く濁ったようになってしまうことが多いですね。
それが「クリームダウン」と呼ばれる現象。
これは紅茶の成分のタンニンとカフェインが、36℃以下になると白く結合して浮き出てくるのが原因。
タンニンを多く含む良質な茶葉ほど、この現象が起こりやすいといえます。
クリームダウンが起きても、味に変化はありません。
しかし、清涼感に欠けてしまいますよね。
一時的に解消するには熱湯を数滴グラスに入れればOK。
また、日本の水は軟水なので心配ありませんが、硬水のようにカルシウム、カリウム、マグネシウムなどの金属イオンが含まれていると、 クリームダウンを促進してしまいます。
ペットボトルの水を使う場合も、半分は水道水を使うことをおすすめします。
また、なるべくタンニンが少ない茶葉を選ぶこともポイント。
高級品より中・並級品の方がアイスティーには向いています。
タンニンの少ないセイロン茶、中国茶、ケニヤ茶などが良いでしょう。
アッサムはタンニンが多いので避けた方がいいですね。


■アイスティーのバリエーションティー。

◆アイスティーロイヤル



アイスティーだけど、見た目がちょっと豪華。おもてなしにぴったりです。

材料(1杯分)
茶葉(おすすめはアールグレー) ティースプーン大きい葉は山盛り1杯3g強、細かい葉は中盛り1杯2.5g
お湯120cc(ホットティーの2/3)
グラニュー糖 お好みで
生クリーム お好みで
ミント 適宜

煎れ方
(1)濃い目のホットティーを作る
(2)別のポットにグラニュー糖を入れておく。(甘みが多いほど比重が重く、(5)の牛乳が浮きやすくなります)
(3)ホットティーができたら②に注ぎ、グラニュー糖をよく溶かす
(4)氷をたっぷり入れたグラスの7分目まで、(3)を注ぐ。
(5)(4)の上に三分たて程度の生クリームを静かに膜が張るように2mmくらいのせ、さらに牛乳を注ぐ。
(6)仕上げにミントの葉をのせてもOK


◆カシスティースカッシュ



グラスをシャンパンフルートにするとシャンパンカクテルのようなお洒落な雰囲気に!

材料(1杯分)
茶葉(おすすめはセイロン) ティースプーン大きい葉は山盛り1杯3g強、細かい葉は中盛り1杯2.5g
お湯120cc(ホットティーの2/3)
カシスジャム ティースプーン2杯
炭酸水 30~50cc

煎れ方
(1)グラスに、ホットティーを少し加えて柔らかめにしたカシスジャムを入れておき、その上に氷を入れる
(2)あとは7分目まで濃い目に作ったホットティーを注ぐ。
(3)最後に炭酸を満たす。

ジャムはカシスに限らず、ラズベリー、ブルーベリー、マーマレードなどお好みのもので試して下さい。
ジャムにホットティーを加えて柔らかくすることがポイント!
アイスティーを加えた時に溶けやすく、飲み心地もよくなります。




◆カリフォルニアウィンディー
下に紅茶、上にグレープフルーツジュースがセパレートする見た目にも清涼感のあるタイプ

材料(1杯分)
茶葉(おすすめはセイロン) ティースプーン大きい葉は山盛り1杯3g強、細かい葉は中盛り1杯2.5g
お湯120cc(ホットティーの2/3)
グレープフルーツジュース 30~50cc
グラニュー糖 お好みで

煎れ方
(1)濃い目のホットティーをつくる。
(2)別のポットにグラニュー糖を入れておく。(甘みが多いほど比重が重くなり、(5)のグレープフルーツジュースが浮きやすくなります)
(3)ホットティーができたら②に注ぎ、グラニュー糖をよく溶かす。
(4)氷をたっぷり入れたグラスの7分目まで③を注ぎ、手早くかきまぜる。
(5)グレープフルーツジュースを静かに注ぐ。


■ホットティーのバリエーションティー。

◆マサラティー



インドのティータイムには欠かせない、スパイスの効いたホットティー
本来マサラとは混ざっているの意味。好みのスパイスを一緒に入れればOK!

材料(1人分)
茶葉(おすすめはウバ茶) ティースプーン2杯
お湯 少々
牛乳 200cc
スパイス
ナツメグ すりおろしひとつまみ
グローブ 1本
カルダモン 2粒
シナモン 1/2本
砂糖 お好みで

煎れ方
(1)温めたポットに茶葉を入れ、茶葉が浸る程度の熱湯を注ぎ、2分蒸らす。
(2)ミルクパンに牛乳200ccを入れ火にかけ、温まったらスパイス(ナツメグ、グローブ、カルダモンはそれぞれ少量、粉末であれば耳かき1杯程度で充分。シナモン1/2本は砕いて)入れ弱火で1分煮込む。
(3)(2)の牛乳を(1)のポットにあけ、さらに1分蒸らす。
(4)温めたカップにティーストレーナーで漉して注ぎ、好みで砂糖を加える。

スパイスが無いときには、シナモンだけのシナモンミルクティーでも十分!シナモンは、 パウダータイプよりスティックタイプを使い、バキバキと折ってミルクに入れ、煮込むのがポイント。
最後に軽くホイップした生クリームを浮かべ、オレンジピールを飾って。
インドのティータイムには、チャイやマサラティーと一緒に、サモサを食べます。
サモサとは、三角形の春巻きのようなパイで、皮の中にカレー味のポテトや野菜が入っているもの。
ボリュームもあり美味しいですよ。機会があったら、ぜひお試しを!