和の食卓の話
◆和の食卓の話

和食器は、洋食器と比べると素材が豊富。
陶器や磁器だけではなく、漆、紙、ガラス、竹、籠、大きな葉、氷なども食器として使われます。
つまり、いろいろな素材を使い、楽しいセッティングができるということ。

現代の和の食卓は、テーブルで食事をいただくため、伝統的な和のセッティングとは異なります。
洋食器を一緒に使ったり、プレイスマットやナプキンを使ったり、洋風のエッセンスを取り入れた方が生活にマッチ。
プレイスマットに、漆のお盆、和紙、籐で編んだマットなどを使ったり、ナプキンにちりめん調の布を使うと、より一層「和」を意識したセッティングになるわけです。
さらに、花器も徳利やお猪口、酒升、湯のみなどの純和風テイストを使うと、それだけで素敵なテーブルコーディネートに。
折鶴をフィギュアに違う大きさで2~3種類置くだけで、お洒落です。
綺麗な和紙で折り、食器の色とコーディネートできると完璧です。

洋食器はほとんどが円形のお皿。
しかし、和食器には(特に小鉢など)、桜の花の形、扇の形、おかめやひょっとこの形など、楽しい形の器がたくさんあります。
私の友人は変わった形の豆皿を集めるのが趣味。
彼女のコレクションを見ると、和食器の面白さがよくわかります。
豆皿はサイズも小さいため、それほど高価ではありません。
集めやすいかもしれませんね。

さて、セッティングをする時は、物の数を奇数にすると言われます。
奇数はアシンメトリー(左右非対称)になり、くずれた、流動的な感じを表します。
これが和食の「わび・さび」。
つまり盆や膳の上に食器を置く場合、3または5。
格式の高い本膳料理も、本膳の器は5、二の膳、三の膳の器は3、与の膳(四という字は嫌うため与を使います)、五の膳の器は1。
すべて奇数です。

また和食器には皿に「陰と陽」があります。
丸い皿は陽、四角(正方形や、長方形)の皿は陰。
浅い皿は陽、深い皿は陰。
この陰陽を組み合わせることでテーブルにリズム感を出します。
陽の皿だけ、陰の皿だけというセッティングにならないよう気をつけましょう。
これらを踏まえ、個性的な現代の和のセッティングを表現してみましょう。